96 採用試験
「さて、今日来てもらったのは他でもない。先日行ったわが社の採用試験の結果を、応募者である君に伝えるためだ」
「……はい」
「それで、結果だが……」
「……」
「不合格」
「……!」
「君はつくづくダメな人間だというのが今回の試験でよく分かったよ。まったくダメ。こんな試験もパスできない君は社会のゴミだ。君のような仕事のできない人間は、わが社にはいらないんだよ。分かったらさっさと帰りたまえ。二度と顔を見せるんじゃないぞ」
「……」
「……」
「あの」
「何かね?」
「少し、お尋ねしてもよろしいでしょうか?」
「いいだろう。聞きたまえ」
「僕が御社の採用試験を受けたのが、えーと……」
「三ヶ月前だよ」
「はい。三ヶ月前ですよね。それで、試験を受けた人数が、確か……」
「一人だ。君一人だけだよ」
「はい。一人だけでしたね。それで、えーと、出題数は……」
「二問だよ」
「……」
「……」
「あの」
「何かね?」
「一つ言わせて頂いてもよろしいでしょうか?」
「何かね?」
「お前らだって仕事できてねーだろ! たった二問の採点に! たった一人の採点に! いったいどんだけ時間かけてんだ! 三ヶ月も待たせてんじゃねーよ! ゴミはてめーらだ、クソヤロー!」
「なっ、なななっ、何だって?」




