表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
93/211

93 露出の動機

 街に露出狂(40代独身童貞無職)が現れた。

「やだ、なにあれ」

「おじさん、はだかだー」

「しっ、見ちゃだめ!」

「おい、あんた、何やってんだ?」

「……」

 露出狂は答えない。ただ、不可解な笑みを浮かべるばかり。

 と、そこへ――

「動くな、止まりなさい! 止まらんと撃つぞ!」

 通報を受けた警官がやって来た。

 露出狂は、

「……」

 何も言わず不可解な笑みを浮かべていた。


 そして舞台は取調室へ移る。


「……」

「あんた、どうしてあんなことをしたんだ?」

「……」

「どうして全裸で街を歩いたんだ?」

「……」

 露出狂は答えない。手錠の鎖がジャラリと鳴り、何も履いていない尻の下のパイプ椅子は硬そうだ。

「答えろ!」

「……」

 刑事が机をバンと叩き、立ち上がる。今にもつかみ掛からんばかりの剣幕だ。

 この時、終始不可解な笑みを浮かべていた露出狂の口が小さく動いた。

「……てやりました」

「なに?」

 刑事の表情が一層険しくなる。

「……しくてやりました」

「なんだって?」

 刑事が耳を近づける。

「いいねが欲しくてやりました」

「……!」

 刑事は驚きで目を見張った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ