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74 ハアハア電話
電話。それは、人と人とをつなぐ文明の利器。あるいは友達と、あるいは家族と、あなたとあなたの大切な人とを、場所を越えてつないでくれる便利な道具です。
しかし、便利さには常に落とし穴が付きもの。
便利なはずの電話が、あなたを思わぬ相手とつないでしまい、思わぬ災難をもたらすことも。
今回はそんなお話です――。
トゥルルルル。トゥルルルル。ガチャ。
「はい、もしもし」
『ハアハア……ハアハアハア』
「え?」
『ハアハア、ハアハアハア』
「なに?」
『ハアハア……パンツの』
「え?」
『ハアハア……パンツの……ハアハア……色は……ハアハア……何色……ハアハア……ですか?』
「くっ……」
『くっ? ハアハア』
「黒の……」
『黒の? ハアハア』
「黒のボクサーパンツ」
『……』
「……」
『何だよ』
「え?」
『何だよ、男かよ! ふざけんな、バカヤロー! 二度と掛けるか!』
ガチャン。ツー。ツー。ツー。
「ぐふふ」




