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70 声の主

 いったいどれくらい走り続けただろう。

 自宅を出て、住宅地を抜け、気が付けば山道を走っていた。

 自分でもやり過ぎではないかと思う。

 いくら大会を控えた長距離ランナーだからといって、町の中から山の中まで走るのはやり過ぎだ。トレーニングの内容として、完全にオーバーワークではないか。

 実際、ランニングも短パンも汗でぐっしょり濡れている。荒い息をつきながら立ち尽くす。もう一歩も動けない。このまま地面に倒れ込みたいぐらいだ。疲労困憊そのものだった。ところが、

「ハハハ、もうやめるのか?」

 どこからか声がして、俺はギョッとした。

「ハハハ、お前はその程度か? いいや、そうじゃない。そうじゃないはずだ。お前はまだまだやれるよな? ハハハ」

 俺は驚きと同時に恐怖を感じた。俺はここまで一人で走って来た。ましてこんな山中に人がいるはずがない。俺は辺りを見回した。

「ハハハ、ここだよ、ここ」

 声は下の方から聞こえた。俺は下を見る。すると、

「ハハハ、まだまだやれる、やれるって」

 俺の膝が笑っていた。

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