43/221
43 盗撮魔と恐喝犯
とある駅のエスカレーターで、スーツ姿の男が、前に立つ女性のミニスーカートの中にスマホを差し入れていた。
エスカレーターが昇りきったところで、スーツ姿の男は何食わぬ顔でスマホをしまい、歩き去ろうとした。
ところが、
「おい、あんた」
誰かがスーツ姿の男の肩に手を置いた。スーツ姿の男が振り返る。
「やっちまったな。ばっちり見てたぞ」
髪を金色に染めたチャラ男である。
「とりあえず、百万で手を打とうか。百万で黙っててやる。人生終わりにはしたくねえだろ?」
「……」
「んだよ、だんまりかよ。なんなら警察に言ってやろうか? 警察によ。あんたを警察に突き出しもいいんだぜ? 警察はこえーぞ、警察はよ」
「……警察、警察ってお前」
「あん?」
チャラ男が怪訝な顔をする。スーツ姿の男は懐に手を突っ込んだ。
「俺がその警察だ」
警察手帳を見せつけた。
「な、なんだって!」
チャラ男は完全に度肝を抜かれた。




