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29 李下の冠、罪の王冠
「この人痴漢です! 私のお尻を触りました!」
「なに、痴漢だと?」
「それはけしからん」
ということで、君は駅に駆け付けた警官たちに取り押さえられた。
警官たちは君を署まで連行しようとしたが、しかし、君は抵抗する。掛けられた手錠をガチャガチャと言わせながら、君はその場に留まろうとする。
「なんだ、抵抗するのか! この痴漢め!」
警官の一人が君に心無い言葉を浴びせる。君は言う。
「待ってください。僕には心当たりがありません。僕は女子高生のお尻など触っていません」
「女子高生が嘘をついているというのか?」
「ええ、そうなります」
「この嘘つきめ! 誰もお前の話など信用するものか! いいから話は署で聞こう」
「待ってください。せめて手錠を外してください」
「外したら逃げるつもりだろう?」
「いいえ、逃げたりしません。僕は……」
君は言う。
「パンツとズボンを履きたいだけです」




