20 ポンコツにできること
ポンコツがある職場へ面接にやって来た。
ポンコツにはよくあることだが、ポンコツは今まで何をやってもうまくいかず、いくつもの職場を転々として来た。
ポンコツはポンコツなりに頑張って来たのだが、とにかく何もかもうまくいかない。
もちろんポンコツはそのポンコツらしい経歴を包み隠さず履歴書の経歴欄に書いたし、面接を担当した社員との話の間、自分がポンコツで、仕事ができず、人との関わりもヘタクソであること、これといって特技も長所も取り柄もないということをつらつらと正直に語った(だから彼はポンコツなのだ)。
このポンコツの話しぶりに、面接担当の社員は少なからずイラついた。
こいつはいったい何をしにここへ来たんだと思い、次のような言葉をポンコツにぶつけた。
「さっきからあなたは自分のことをネガティブに語り続けているが、ここは自分の長所やできることをアピールする場です。そのための面接なのです。あなたには我々の職場のためにできることはないのですか? 我々の会社のためにできることは? 例えば、そうだな、我が社のためにあなたにしかできないことがあるはずです。それを聞かせてください」
この言葉にポンコツは考え込んだ。そして、しばし間を置いて、ポンコツはこう答えた。
「僕は少ない働きで給料をもらうことができます。他の人にはできません」
ポンコツは穏やかに微笑んだ。




