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16 ある意味正しい球審の一言
野球の試合の話。
エースピッチャーと四番バッターが勝負している。
まず一球目。ピッチャーが振りかぶって投げると、豪速球がバッターの外側にそれて、キャッチャーのミットに納まった。球審がすかさず、
「ボール!」
と叫んだ。
次に二球目。ピッチャーが振りかぶって投げると、豪速球がど真ん中を走り、キャッチャーのミットに納まった。バッターはバットを振ることもできず、球審がすかさず、
「ストライク!」
と叫んだ。
そして三球目。ピッチャーが振りかぶって投げると、豪速球がバッターの股間に当たり、バッターが倒れた。球審は転げ回るバッターを眺めてから、ここぞとばかりに、
「ボールにストライク!」
と叫んだ。
この一言に、球場がドッと沸いた。
バッターは担架でかつがれていった。