125 アイドルと擬似デートできるDVD
アイドル「もう、遅い! わたし、一時間も待ってたんだから! ぷんぷん! 今日はもうデートしてあげない。……なーんちゃって。あなたとのデート、ずっと楽しみにしてたんだから、デートやめるなんて冗談だよ(上目遣い)。さ、いこっか。映画、始まっちゃうよ」
アイドル「映画、おもしろかったね。仮面○イダー。わたし、仮面○イダー大好きなんだ。もちろん、あなたの次にだけどね。きゃっ、言っちゃった。もう、こんな恥ずかしいこと言わせないでよ。次は公園だね」
アイドル「実はね、今日ね、お弁当、作って来たんだ。はい、これ、お弁当。どう、おいしそうでしょ? イナゴの佃煮。はい、あーんして。早くぅ。あーんして。はい、あーん。おいしいでしょ? たくさんあるから全部食べてね」
アイドル「次はぁ、どうしよっか? あ、わたし、あれ乗りたい! あれ! イナゴの形をした二人乗り自転車! そうと決まれば乗り場まで競争だ! れっつごー! 早く、早くぅ!」
アイドル「楽しかったね。でも、運動したら、またおなかすいちゃったね。次はどこ行く? え、わたしが決めていいの? やっさしー! じゃあさ、あそこ! あそこに入ろう! イナゴ料理のレストラン! そうと決まれば競争だ! れっつごー! 早く、早くぅ!」
アイドル「おなかいっぱいだね。今日は楽しかったよ。ほんと、イナゴ尽くしの一日だったね。わたし、イナゴ大好きなんだ。もちろん、あなたの次にだけどね。きゃっ、また言っちゃった。もう、女の子にこんな恥ずかしいこと言わせないでよ。でも、あなたすっごくやさしいから、こんなイナゴ好きの頭のおかしい女は嫌いだなんて、幻滅したりしてないよね? ほんと? うれしい! そんなふうに言われたの初めて! ねえ、また会えるよね? 会える? ほんと? 約束だよ? 次のDVDも買ってね。あとね、それからね、ひとつあなたに大切なことを伝えます。このDVDを見た人は、一週間以内に、十人の人にこのDVDを買わせないと、なにを食べてもイナゴの味がして、どの女の子を見てもイナゴの顔に見えるようになるという呪いにかかります。定価は一万八千円。(急に声を低くして)次の犠牲者は誰だー! ウケケケケケケ!」
ブツン。そこでDVDは唐突に途切れた。




