123 テイク・ア・セルフィー~ヒヒ野郎
「なあ、阿呆」カチカチ
「なんだ、阿呆」
「俺、思うんだけどさ」カチカチ
「お前が思う? お前にも、ものを思うだけの頭脳があったのか? いいぜ、言ってみ」
「俺、思うんだけどさ」カチカチ
「なんだ」
「女ってつくづく得だよな」カチカチ
「おっと、いきなり火種になりそうな発言だが、お前はどうせ燃えないゴミクズ野郎だし、炎上どころか何を言っても誰からも相手にされそうもないから、とりあえず続きを聞いておこうか」
「俺、思うんだよ。女ってやつはつくづく得だって。なぜってお前、こうしてトゥリッラーを見てるとさ、ちょっと服を脱いで自撮り写真を投稿するだけで、すぐに大量の『いいね』がもらえちゃうわけじゃん。それもこれも、あいつらが出るとこの出た『女』だからなわけよ。まったく、うらやましいねー。画面の向こうで『いいね』してる連中なんて、どいつも鼻の下を伸ばしてハアハア言ってる気色わりいヒヒ野郎ばかりだってことには気づいてないのかね」カチカチカチ
「そりゃまた、お前、ご高説ってやつかもしれないな。自分が女ってだけで、いやらしい目で見られて辟易してる女もいれば、逆に、自分から、なんだ、その、お前が言うヒヒ野郎どもの性欲をあおって喜んでる女もいるってことか」
「だろ?」カチカチ
「……」
「……」カチカチ
「なあ」
「ん? なんだ?」カチカチ
「お前、さっきからなにしてんだ? ものすごい勢いでトゥリッラーの画面スクロールさせて、おまけに、カチカチカチカチなにしてんだ?」
「そりゃ、お前」カチカチ
「なんだ?」
「いいねだよ、いいね! いいねしてるに決まってんだろ! ヒヒヒ! ハアハア」カチカチ
「ヒヒ野郎はここにもおったわ!」




