119 イントロ当てクイズ
「さあ、始まりました。イントロ当てクイズ『イントロでドン!』の時間が今週もやって参りました。今回の出場者は――」
「東京都から来ました、音無当蔵です。やる気まんまんです!」
「ご活躍が楽しみです。豪華景品目指して頑張ってください。さて、さっそく第一問。イントロ当て、ドン!」
「ベートーベン・アンド・モーツァルトで『ガガガガン・クライネ・ナハトムジーク』!」
「え? ……正解!」
「よし」
「……。えー、それでは第二問。イントロ当て、ドン!」
「チャイコフスキー・ザ・ロックンローラーで『ブラックスワンの子守歌』!」
「……正解!」
「よし」
「……。それでは、第三問。イントロ当て、ドン!」
「ヨハン・セバスティアン・バッハッハッで『ブランデンブルク・ラブストーリー』!」
「……ちょっと待ちたまえ」
「え、不正解ですか?」
「いや、正解だけれど、おかしいでしょ」
「おかしい? 何がですか?」
「イントロ当てなのに、イントロのイの音も聞かずに正解ばんばん出してんのがおかしいって言ってんの。さては、あんた、やってんだろ? 番組の関係者から問題の正解リークされて、その上で解答してんだろ? どうなんだ? 図星だろ? おい、答えろよ。黙ってないで答えろよ」
問い詰められた解答者は、しばし黙ってうつむいていたが、ややあって――
「てへぺろ……ばれたか。どうしても景品のウクレレ、ブラブラブブラームスのサイン入りのやつがほしくてね。クイズの作成者にワイロとして百万渡したんだ」
憎めない笑顔でこう答えた。




