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113 お前が言うな!
森の中で、醜く凶暴そうなオークと、金髪碧眼の凜とした美しい女騎士とが闘っている。
オークが振り下ろした重く長大な棍棒が女騎士にかわされ、地面を大きく陥没させた。
オークは棍棒を振り下ろし、あるいはなぎ払い、女騎士はその棍棒をひらりひらりとかわしていく。
息詰まる闘いがしばし続いた。もっとも、それは永遠にではなかった。
「たあっ!」
女騎士が気合いの声を発し、銀色に輝く長剣を下から上へと払った。
しゅぱっ。長剣はオークの太い棍棒をやすやすと両断し、棍棒は根元から宙へ飛んだ。そして、
「……」
女騎士は無言で、長剣の鋭い切っ先をオークの喉元へ突き付けた。沈黙。斬り飛ばされた棍棒がようやく地面に落下する。オークの額に冷や汗が流れる。女騎士の青い双眸は射すくめるような光だ。体格でははるかに優るオークだが、あたかも見下されているかのような構図だった。
オークは横を向いて、あきらめたようにつぶやいた。
「くっ、殺せ……!」




