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凡人キラー  作者: ゆき
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 大学について、次に受ける講義の教室に着いた。


「涼矢!」


教室の奥のほうから大きな声が聞こえる。

向いてみると大学で仲良くしている 立花 一 がいた。


「おはよう、はじめ。」


「おう!今日は遅い日なんだな、寝坊か?」


「まあ、そんなところ。」


 はじめは根っからのいいやつで、大学に通い始めてすぐに話しかけてくれた。

そこからなんだかんだで一緒にいる奴だ。

そんな彼も普段僕が何をしているのか知らない。

まあ、当たり前のことだけど、僕は教えるつもりもない。


「なあ、朝のニュース見た?」


「ニュース?なんもみてねーや。」


「昨日もあったらしいぜ。今注目の連続殺人事件。」


「・・・そうなんだ。」


「なんだよその興味なさそうな感じ!」


「だって興味ないからな。」


 最近かならず話題に出てくる”連続殺人事件”。

はじめはそういうことにはすごく敏感で、怯えるより興味深々って顔でいつも話してくる。

この事件が注目される前は、定年交通制度とかなにかしらの事故や事件をニュースで見てきては

話題にあがる。


「あんまり興味なさそうにしてる奴ほど狙われるぞ!」


「あー?大丈夫だよ、別に。むしろお前があぶねえよ」


「俺は大丈夫!なんてったって強いからな!」


「はー?」


「黒帯なめんなよー!」


「・・・。」


こいつはいいやつなんだけど、たまに心配になる。

この馬鹿さ加減どうにかならないものか・・・。


「あのなー・・・、たとえ柔道が・・・」


「君面白いね!!」


「?」


「どなたさまですか?」


「あ、ごめんごめん。僕は、小沢 かける。よろしくね!」


 はじめが馬鹿なこと言ってると後ろから知らないやつの声がした。

小沢 かける。聞いたことのない名前だ。


「それにしても、柔道が強くてもやられてしまう確率は一般人と変わらないと思うよ!」


「え?なんでだよ。」


「だって、柔道が強くても相手は刃物を持っているんだよ?負けるのは目に見えるよね。それに」


「それに?」


「それに、君みたいな楽観的な思考の持ち主には、勝てないよ。」


すらすらと間違えのないことを話す。

確かに、柔道が強かろうが、空手をやっていようが僕たちには勝てない。

それに、頭を使っている”こっち”からすると、相当なことがないと慌てないし、

犯行がすこし違っても目的は殺すこと。

殺せればなんでもいいからな。


「楽観的ってなんだよ~、俺ってそんなバカそう?」


「馬鹿っていうかあほだよな。まさに楽観的な思考。」


「うん!はじめてあった僕にもわかるほどの馬鹿だね!」


「なんだろう、初めて会った人にこんなにぼろくそに言われることってある?」


「・・・ないな。いい経験になったじゃん、おめでとう。」


「なんだよそれー!他人事だと思って・・・。」


隣で馬鹿が騒いでいる中、僕はこの 小沢かける を敵対視する。

確かに少し考えればさっきのことは大抵わかるが、

一般人が刃物を持っている犯行を前提に話をすることは滅多にないだろう。


小沢かける・・・何者なんだ?


「あ、そうだ。俺は 立花一。よろしく」


「はじめくんね!よろしく。・・・君は?」


「僕は、笹原 涼矢。よろしく」


「はじめ君にりょうや君ね!僕の事はかけるって呼んで!」


「俺の事もはじめでいいよ!こいつもりょうやで!」


「わかった!これからもよろしく!」


なんでこいつは、俺の分まで呼び名を言ったのかわからないが今の僕には

すごくどうでもいい。

嫌な予感がする。こいつとはあまりいないほうがいいな。


その後、講義が始まったが、僕の頭の中は 小沢 かけるで頭がいっぱいだった。

犯行の事、いや犯罪の事について普通よりも知っている。

ただの興味で調べたのか、それとも親が警察か・・・。

普段から平日の昼間は大学で講義の事しか頭を使わない僕が

はじめて講義以外で頭を使っているかもしれない。


(一応、れんに連絡しておくか。)


涼{ れん、次の犯行には証拠を残さない方向で頼む。}


れんにメールを送るとすぐに返事が来る。


れん{どうして?せっかくいい計画ができたのに~}


涼{悪い。少しの間だけでいいんだ。気になることができた。}


れん{わかったよ。考え直しとく}


こいつの正体がわかるまであんまり下手にできないな。



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