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凡人キラー  作者: ゆき
1/3

 10年前、僕は母さんを自分の手で殺した。

特に理由もなく、本当に興味本位だった。

目の前で赤く染まる母さんを横目に捕まるのが怖くなった僕は、自分で自分を傷つけ

まさに、”被害者”となり果てた。

犯行に使った包丁と手袋は家の近くの墓地に捨てた。

 しばらくすると、警察が来る。

もう息をしない母さんを見て、警察の人が僕を抱きかかえた。


「もう怖くない。大丈夫だよ、君はよく頑張った。あとはおじさんたちにまかせなさい。」


目の前に広がる光景。

赤く染まった身体。

そしてなにより、誰も僕の犯行だと疑わないことに、僕はとてつもなく興奮した。


―10年後-


「涼ちゃん、今日は早いね。おはよう」


「あぁ、今日から学校なんだよ。」


あの日から10年。

人を殺めるという快楽を知った僕は気づいたら何度も人を殺めるようになった。

だが、少し変わったのは、相棒ができたのだ。

それがこいつ、相沢 れん。

こいつが主に計画を立てて、俺がその計画通りに実行する。

れんと組むようになってから100人はもう手にかけている。


「いや、しかしあれだよね。日本の警察はまぬけだよ。ま・ぬ・け!」


「あ?いきなりなんだよ、ってかまたその話?」


「だってさー、今話題の殺人犯が普通に大学に行こうとしてるんだよ!?」


「そんなこと言ってやるなって。あの人たちだって毎日頑張ってんだよ。」


「うわ!殺人犯が警察の事ばかにしてるー!」


「してねーし、まずその、”殺人犯”って呼ぶのやめろ!」


最近れんは、警察に対してイライラしている。

れんはほんの1ミリも僕たちの事を疑いに来ない警察に対して

前に一回だけわざと証拠を残したことがあった。

それも計画のうちだったしその後の避難計画もしてあったのに、その証拠にすら警察は

気づかなかったのだ。

そこからというもの、

 「警察は甘すぎる!」「今度は髪の毛でも残す!?10本くらい!たばで!」

と、れんの怒りがどんどんヒートアップしている。

さすがに、髪の毛10本の束を残すことは命取りになると、全力で説得はしたが

それ以降、れんが考える殺人計画はほとんど、いや全部と言っていいほど、証拠を残す

ものだ。


「それにしてもさー、なんで涼ちゃんは大学なんかに行ってるの?別に行く必要ないじゃん」


 僕たちは、この歳になってからはただ犯行を犯すだけじゃなく、裏殺し屋として

お金を稼ぐようになった。

そっちの道にいる人たちからすると結構僕たちは名が通っていて

依頼も今では50件はくだらなくなってきている。

だから、将来大学を出ていい企業にでるなんていうことはしなくてもいいのだ。


「別に。ただの暇つぶしだよ。それに毎日家に引きこもってたら怪しまれるだろ。」


「まあ、確かにそうだけどさ。」


「だろ?あーもう時間だから行くわ。」


「あ、もうそんな時間?行ってらっしゃい。気を付けてね。」


「おう、いってきます」


毎朝電車通学で大学に通っている俺は、ほかの殺し屋にいつやられるかわからないため

時間をずらしたり、マスクをつけて登校するようにしている。







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