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『強化進化……一体どんな感じにでしょうか?』


前脚の多用によっての進化ならタイミングがおかしい。

ラーバグを捕食はしてないし、魂を魔力に還元もしてないから魔力の条件を満たしたからって線はない。

つまり前脚の強化じゃない、となると……。


『尻尾のさらなる強化だ、今は単純に棘だらけなだけだからな』

『尻尾の強化ですか!条件としては……?』

『槍関連スキルの所持と尻尾の使用回数、そして一定の魔力量だな』


おお!その条件となると尻尾が劇的ビフォーアフターしそう!

おまけに槍関連のスキルも新たに生えそうだし、嬉しいよ嬉しい!

……まぁ、翼は焦ることもあるまい。


『了解しました、しましょう進化』

『迷いがないなおぬし、ではいくぞ……今より貴様はサラマンダー改めサラマンドラだ!』

『ははっ!』


龍王様の気配は去った。

さて、このままだと三人を巻き込んでしまうな。


『パトリシア、アン、ステファニー』

「ん?」

「はいです!」

「いかがいたしました?」

『これから我は少々力を開放する、周囲への影響がひどい故出来る限り遠くに離れよ』


それを聞いたパトリシアは目を見開き、アンとステファニーは首をかしげている。


「わかりました!二人とも、急がないと本当に巻き込まれるわよ!!」

「か、かしこまりましたです?」

「は、はいぃ!?」


唯一進化を目の当たりにしているパトリシアは、二人を連れてそそくさと離れていく。

よし、これで大丈夫----。


「ゴゴッ、グギィイイイアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!」


ぐへええええええええ、きたきたきたきたぁ!

あーもう滅茶苦茶だよぉ、相変わらずだこの異常な熱さはぁ!!

どんどん赤と黒の炎が俺を包み込んでいく、もうだれにも止められない。


「ブラック、様……?な、何事です!?」

「そんな、サラマンダー様が攻撃を受けて!?」

「あー、違うのよ……違う違う」

「いえいえ、違うとかそういう次元の話じゃないです!ブラック様を救うのです!!」


アンは俺を救おうと駆け出そうとしたが、パトリシアに抱えられて止められてる。

ステファニーは口元を抑えてただただ震えるしかない。

まぁ、それが普通だよ……当然の反応。


「シャガアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!グゲガアアアアアアアアアアアア!!」

「離してくださいです!わたくしの主が危機ですうううううう!!」

「ああ、神よ……神よ……!」


おっ、どうやら終わったっぽいな。

さっきまであんなに苦しかったのに、もう何も感じない。

強いて言えば暑いし、皮や鱗や甲殻が邪魔だ。

脱ぐとしよう、そして新たな俺の尻尾を見せてくれ。


「ぐすっ、シアさん……離し、て……です?」

「お、おお……神よ、これはあなたの思し召しなのですか!?」

「あーれまぁ、今度はまたえらく強そうな尻尾になっちゃって……かっこいいじゃん」


脱皮し終えると、その尻尾は姿を現した。

棘が無くなった代わりにそれらが収束したらしく、先端に大きく真っ黒な三つ又の槍のような形状のものが出来ている。

またしなやかな筋肉がついて可動域が向上、伸縮や自在に曲げて扱う事が可能に。

なるほど、そりゃ槍系スキルが条件に入っているわけだ。


『心配をかけてすまぬ、サラマンダー改めサラマンドラ……今後もよろしく頼むぞ』

「ぶ、ぶ、ブラック様ぁあああああああ!!」


アンが我慢の限界とばかりに俺の身体に抱き着く。

その目には涙が……悪いことをした。


『ごめんな、アン』

「ご、ご無事で、よ、よがっだああああああああ!!」


彼女にとって俺の存在は、俺が思っているより大きかったみたいだ……これからは気を付けよう。

泣きじゃくるアンの頬に頬ずりしていると、ステファニーはパトリシアに質問していた。


「サラマンダー様、いえサラマンドラ様……彼はいつもあのような?」

「毎度ではないけどさ、ああやって力を得るときは、こういう大掛かりな脱皮みたいなことしてるわよ」

「なるほど、興味深いですね……」


彼女は何かメモ取り出した。

聞くと強さを得るための参考にしたいとのことだが、これは本当に参考になるだろうか?

変に勉強熱心である。

……と、それよりスキル周りを確認しなくては。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


サラマンドラ【龍王の眷属】


スキル<自前>

トライデントストライク 尻尾で強烈な薙ぎ払いを放つ NEW

ホーンバニッシュ    頭部で猛烈に突き上げ、吹き飛ばす

豪火          強力な火炎を吐き、燃やし尽くす

再生          傷の治りがかなり早くなる

念話          他者の心と直接語ることが出来る


槍マスタリLV1(熟練度0) 槍による攻撃での威力を上昇させる

槍術LV1(熟練度5)

二段突き     槍を用いて、一呼吸に二回突く

火炎魔法LV2(熟練度86)

バーニング     狙った場所に火炎を起こす、飛距離が長くて火力も調節が可能

クリエイトファイア 火炎を想像した形に作り出して操ったり、放ったりする


スキル<魂>

光合成      光を受けている状態で水を飲むと、体力が回復 【花の魔物】

胞子の息吹    大量の胞子を吐き出す、主に目くらましに使用 【キノコの魔物】

バインドボイス  魔力の籠った咆哮を上げる 【鶏の魔物】

ブーストタックル 自身の瞬発力を引き上げて突進をかます 【猪の魔物】

魔力探知     周囲の魔力を感じ取り、場所と数を割り出す 【マージャガー】       

強酸液      強めの酸性の液体を吹きかける 【ソルジャーアント】

毒液       蝕んで相手を弱らせる毒の液体を吹き出す 【アントエリート】 

捕食       生物を喰らう事で体内に巡っている魔力を取り込める、死体では効果なし 【アントクイーン】     

魔力の糸     自らの魔力で形成した糸を用いる 【芋虫・蜘蛛の魔物】

水上歩行     魔力を足に集中して、水面を移動する 【アサシンインセクト】

バブルブラスト  泡を生成して放つが、泡そのものに威力はない 【バブルクラブ】


槍術LV1(熟練度5) 【魚人族】

二段突き     槍を用いて、一呼吸に二回突く


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


やったぜ。

ホーンストライクが変化して、槍術と槍マスタリが生えてる。

となると、魚人族の魂はもう不要だから魔力に……。

いや、待てよ。

今後の事を考えると奴らと人間たちの仲を取り持ってもいいかもしれない。

となれば眷属にして、この辺りの魚人族をまとめてもらっとけばいいかな。

眷属化出来れば多少は大人しくなるだろ。

……かと言ってこの場でやるのはまたいらぬ誤解を生みそうだ、あとでやっとこう。

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