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事故でデータが消えるのこわい(小並感)

よし掴みはバッチリといった所か。

今後の事を考えると、俺が念話できるような知能と格が高い魔物と思われると面倒が多そうだ。

それこそドラゴンくらいの圧倒的な存在なら何があっても対応できるだろうけれど、あくまでリザードな今では危険が多い。

ともすればテイマーであるパトリシアの使い魔を演じていた方が、人里に入って資源や情報の入手が容易に出来るなど現状メリットがでかい。


『俺が突破口を開く、プランちゃんとミミは後に続け!』

「はい!」

「ガウ!」

『パトリシアはこのまま俺に乗った状態で人間たちを鼓舞しろ、この状況なら士気の回復は間違いなく成功する』

「分かった!」


よし、向こうの混乱が解けないうちに行動開始だ。

眷属それぞれに念話で指示を出し、俺は角を武器にブーストタックルで突撃する。

パトリシアは予め吹き飛ばされないように、身体を密着させてがっちり掴まっている。

その突撃によって数に物を言わせているスカウトアントの海を、俺は高速で突き破っていく。

指揮官たるアントエリートが不意打ちされ、アントたちは不安定になっている。

だからかあっさり突っ切れて人間側までやってこれた俺は、ホーンストライクからの毒強酸液ブレスで前線を崩壊させる。

そしてそのさまを見ながら唖然としている人間側に、パトリシアが叫ぶ。


「この子は噂の黒いリザードで、今はあたしの使い魔だよ!決してあきらめちゃダメ!立って!戦って!!」

「お、お……うおおおおおおおおおおおおお!!!」


人間側から雄たけびが上がる、もくろみ通り行っている様子だ。

諦めから一転して闘志が宿り、皆武器を持って立ち上がる。

今度はアント側が押される番だ。

プランちゃんとミミも即座に追いついて、スカウトアントを強酸液で蹴散らしている。

だがソルジャーアントが冷静になったのか、同じく強酸液で対応してきた。

という事で、ソルジャーアントは俺がつぶすことにしよう。

再びブーストタックルで突撃、スカウトを蹴散らしつつソルジャーアント部隊にそのまま突っ込む。

物量作戦は大掛かりな戦いでは有効な戦術だけど、俺みたいに単騎駆けして無双する奴がいるとまた話が変わってくる。

何しろ動きが限定されるのだから、逃げようとしていたが逃げ場がない。

当然俺は容赦なくソルジャー部隊をホーンストライクからのホーンバニッシュでぶっ飛ばし、毒強酸液ブレスで確実に戦闘行動続行不可能な状態にしていく。


「シィギギギギギギギギィ!!」

「シャガアアアアアアアァ!!」


一方でやられっ放しではなかったようで、エリートが咆哮して立ち上がる。

ならばと俺も対抗して声を上げ、奴に向き合う。

エリートは距離を詰めつつ、毒強酸液弾を撃ってくる。

恐らく牽制で液を撃ち、距離を詰めたあたりで霧を放ってくるつもりだろう。

俺はさせじと毒強酸液ブレスを使い、相手の液を弾きつつぶち当てる。

どうやらアント族ではブレス状には放てないらしいので、まさに格好の獲物だった。

不意打ちも含めてブレスを二度もまともに喰らってふらつくエリート、毒が効いているのを知り俺は容赦せず第三打ァをぶち込む。

フラフラで避ける事が出来ずに、外皮が一気に爛れてグロいことになりつつもがいているエリート。

最早敵になりえないと判断し、周囲のアント族にブレスを浴びせて掃除する。

多分今ものすごい勢いで魂が溜まってると思うんだが……これはクイーン討伐後が楽しみだ。

さて、ここらでダメ押しだな。


『パトリシア、エリートにトドメを刺してこい』

「あ、あたし?」

『毒液は覚えて損がないし、お前がやった方が人間たちの勢いが増す』

「なるほど……任せて!」


俺から降りたパトリシアはエリートの元へ駆け出す。

それを阻止しようと、ワラワラとアント族が寄ってくる。

しかしパトリシアも弱くはない、正面に迫るスカウトを斬ってから踏み台に高く飛んだ。

そしてそのままもがくエリートの頭部に刃を突き立てる。


「シィギイイイイイイッ!?」

「死んじゃえ!!」


刃を捻って抉る様に押し込むと、エリートの瞳から光が消えて動かなくなる。

そこへアント族殺到しようとしたが、残念ながら俺が許すはずもなく。

尻尾で薙ぎ払って道を作り、パトリシアが駆け寄って再び俺に跨る。


「アントエリートを討ち取ったよ!!」

「うおおおおおおおおおおおおお!!!」


人間側から歓声が上がり、アント族への攻勢が強まる。

こうなったらもう止められない、プランちゃんとミミを伴って押し出しまくる。

アント族の陣容は完全に崩壊しており、バンバンと殺されて散り散りになっていく。

最後まで抵抗していたソルジャーを、俺が踏みつぶしたことでアント族の影は完全に消えてしまった。


「勝ったぞおおおおおおおおおぉ!!」

「生き残ったわあああああああぁ!!」

「俺の猫耳天使ちゃんさいこおおおおおおぉ!!」

「……ランド?」


こうしてアント族による大々的な襲撃に対抗した、人間たちの村落防衛戦は勝利に終わった。

残るはクイーン、お前だ……首洗って待ってやがれ。

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