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プランちゃんを殺し、さらに即座に復活させた。

その事実は俺に対する疑惑を深めることになった。

強化進化についても、この世界のリザードは行えない。

その上先程の事で、疑惑が疑念に変わる。


「一体どういう事なんじゃ?」

「あんちゃん、何者なんだ!?」

「し、正直に答えてよ!」

「私も知りたいです、今の私がどういった状況なのか……」

「……実はーーーー」


こうなっては致し方ない、事情を話そう。

それに前までの状態ならば信じてもらえそうになかったが、今ならば……。

俺は話した……龍王にして邪龍であるティアマトとの出会い、そしてここに来た理由と目的。

そして自分が何者で、プランちゃんがどういう状態なのかを。

皆は俺の話を聞くたびに、リザードなりの百面相をしていた。

話が終わると同時に、皆が同時に頷く。


「ありがとうございます、納得がいきました!」

「どおりで変じゃと思っとったわい」

「角が生えたり急に大きくなってたのも、その力でだったのかぁ」

「すっごーい!」


俺としては問題なく受け入れられて嬉しいんだけれど、どうもあっさり過ぎて肩透かしをくらった。

こんな風に深く考えてしまいがちなのも、俺が人間の魂だからか……或いはリザード達が純粋過ぎるのか。


「異世界からの侵攻と言うと聞こえが悪いが、わしらリザード族としては非常にありがたい話じゃ」

「オレたちも眷属になれば、強くなれるんだしな!」

「私もなりたいなぁ」

「けど、これは俺に殺されないといけないからな……死ぬほど痛いぞ」

「「うげぇ……」」


プランちゃんが苦笑いしている、あれしかなかったんだ……すまない。


「事情は分かりましたよブラックさん、私はあなたにこれからもついていきますからね!」

「ああ、眷属として……家族としてよろしく」

「えっ、あっ、はいぃ……」


やる気に満ち溢れたプランちゃんが突如しおらしくなる。

まぁ、死に際の告白をしてすぐ復活したわけだし……な。

結束を新たにしたところで、先ほど起こった悲劇から状況を分析する。


「アリの数が多すぎる」

「森がいつになくざわついとる」

「何か……血の匂いが濃いぜ」

「ちょっと、怖い」


森全体の様子がおかしい、それは間違いない。

そしてアリが俺たちの拠点付近に十数匹現れた、これは今までにないことだ。

つまり……。


「恐らくだが、アリが群れ単位であちこち侵略し始めていると思う」

「つ、つまりあれ以上の……」

「そうだ、さっきの奴らは尖兵に違いない……これからどんどんやってくるぞ」

「むぅ、いよいよもって危険じゃ……守りを固めるか?」


オーさんの言う通り、拠点の守りは必要だろう。

しかしそれじゃ根本的な解決にならない。

下手打てば缶詰にされた挙句、洞窟で餓死する。

蓄えがない籠城ほど愚かなものなんぞない。


「守りは固めるが、戦いとしては短期決戦とする」

「ほう?」

「オーさん、アニー、イモトは洞窟に残って障害物を設けつつ、迎撃準備をするんだ」

「あんちゃん姉ちゃんは?」

「敵の本丸……女王の巣を叩き潰す!」


三日四日であの戦力増強、恐らく女王が生みまくったのだろう。

あの大きいアリが現れたあたりから、既に侵略の準備を本格的に進めていたのだろう。

それに気づかなかったのは痛いが、もう俺は学んだ。

女王を殺し、巣を潰せれば、奴らの群れとしての力はガタ落ちだ。

後は栗拾いでもするように、余裕をもって残党を始末すればいい。

無論最初のころの俺ならば無理無謀も良い所だったが……力を蓄えた俺だからこそ、出来ることもある。

転んでもただでは起きんぞぉ!






☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆







これは悪夢なのだろうか、夢ならば覚めてほしい勢いだ。

細々と討伐以外の依頼をこなして、俺とカルパとシャーウッドさんは昼飯を食いに行くところだった。

しかし妙に村の門前が騒がしい、駆け付けてみると……黒い波が来ていた。


「アントが攻めてきたぞ!!今までで最大規模だぁ!!」


衛兵も、冒険者も、傭兵も、狩人も……とりあえず戦える奴は皆集まりだす。

アントと言うとトラウマになりつつある開いてなんだけどなぁ……俺以外の二人も震えている。

おまけに以前のなんか比べ物にならない数、怖くないはずがない。

そういえばあの黒いリザードを探しに行ったテイマーさん、大丈夫なんだろうか?

悪夢を前に現実逃避もかねて、そんなことを考えた。

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