表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ネコとわたし  作者: まめご
第Ⅰ部 ネコとわたし
35/37

独白

あれから様々な出来事が生まれては、流れていった。

それについてはまた違う誰かか、歴史が語るだろう。

わたしの話はここで終わりだ。

死に際は人生が駆け巡るように思い出されるというが、さすがに意識が朦朧としてきた。

「これ以上、悪人にならないで下さい」

そう呟いてわたしを刺したカイドウは、折り重なるようにわたしの上に倒れている。

お前は生きろ、そう言ったのに

「いつか、あなたに誓いました。どこまでもお供すると。すぐに御前に駆けつけます」

自ら命を絶った。

遠くで人の騒ぐ気配がする。

掠れた視界に数人の足元が見えた。

狂ったようにわたしの名を連呼しているのは、イコマだろう。

自分の事より他人ばかり心配する、この友人には伝えたいことがある。

感謝か、謝罪か、あるいはその両方。

口を開こうとしたその時、ふと体が軽くなった。

声がする。

愛おしくて堪らない、あの鳴き声が。


――西で


ああ、わたしの愛姫が西の果てで待っている。

わたしは神は信じないが、スズは信じる。

盲目的に信じる。

ゆっくりと目を閉じた。

幸福のあまり微笑んでいたかもしれない。




スズ。今、いく。







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ