瞬間移動の利便性について
瞬間移動ができて良かったと思う場面は、実は人生においてあまり無い。なぜなら瞬間移動とは万能などではなく不完全であり、時には自身をも滅ぼす諸刃の剣となるからだ。
初めての瞬間移動は学校帰りの電車内。恥ずかしながら当時はう〇ちを我慢していた。駅に着くなり一目散にトイレへ向かって走る訳だが、奴はもう間に合わないところまで来ていた。もうダメか…。諦めかけて目を閉じたその瞬間、僕はトイレの便座に座っていた。瞬間移動したのだ。心が踊った、まるで漫画の世界のようだ、と。
それからというものは瞬間移動を使って日常生活が快適になると、端は考えるだろう。期待を裏切るようで申し訳ないが、決して快適なんてことはない。何故か狙ったところへ移動できないのだから。ある時は自分の教室を狙ったが職員室に飛ばされたり、ある時は買い物に行こうとスーパーを狙ったが、どういう訳か知らない学校の女子更衣室に飛ばされた。必死に謝る甲斐もなくバカスカとモップとかホウキで殴られた傷は、今でも心に深く残っている。
しかしある特定の状況下にのみ、的確に瞬間移動が機能する。それは、どうしてもトイレに間に合いそうにない時だ。実際ありがたい場面もあることが悔しいが、どうしてこうも半端なのか。どうやって僕が会得したかは知らないが、開発者を見つけたらとことん問い詰めてやる。人を馬鹿にしやがって。
僕みたいに痛い目を見たくなければ、君はこんな能力を欲しがらないことだ。あっても無くても、最終的にはどうとでもなる。とまぁここまで話してきたが、実はずっとう〇ちを我慢していたんだ。話せてスッキリした、お先に失礼するよ。…なに、トイレまで距離があるって?その為の瞬間移動だろう。




