はじめてのかたち
掲載日:2026/05/05
アンドロイドとの出会い
配達業者は、事務的にサインだけ受け取ると、大きな箱を置いていった。
人間が入っていてもおかしくない大きさだ。
実際、人間サイズのアンドロイドが入っているのだから。
「お前は足が悪いから、一人で生活するのは不便だろう」
そう言われて、購入した。
蓋を開ける。
中には、人間の形をしたものがある。
説明書を手に取る。
全部読まなければいけないと思うと、急に面倒になる。
それでも、最後まで読む。
気がつくと、部屋は暗くなっていた。
起動ボタンを押す。
小さな音がして、アンドロイドの目が開く。
しばらく、見つめ合う。
「やあ、はじめまして」
少しだけ、間を置く。
「君を箱から出したいんだけど。僕は足が悪くてね」
手は、まだ伸ばさない。
「良かったら、手を貸してくれるかな」
ほんの少しだけ、笑う。
「箱から出たら、紅茶を飲みながら話でもしようか」
読んでくれてありがとうございます。




