「ごめんね」のその先は…
真っ暗だった視界が、うっすらと明るくなってくる。ゆっくりと目を開けると、そこは、見知った私の部屋だった。
「ルーナ!よかった。やっと目が覚めた。」
「本当にお前は無茶ばかりして、もっと自分を大事にしろ」
声のする方へ顔を向けると、レントの泣き顔と、安堵の表情をしたラピスが、それぞれ私を見ていた。
(あぁ…私帰ってきたんだ…)
手を伸ばすと、レントがギュと握ってくれる。ラピスが、頭をガシガシと撫でてくれる。
「ただいまレント。ただいまラピス。」
「うん。おかえりルーナ」
「ああ、おかえり」
私の家族、私の大切な人、ちゃんと守ることが出来たんだね。
やっぱりあの選択は間違っていなかったんだ。レントを信じてよかった。
二人の姿を見て、安心した私は突然の眠気にまた再び目を閉じた。
♢♢♢♢♢♢
「ルーナ大丈夫?まだ完全に魔力も戻ってないし無理するなよ」
「このくらい平気だよ。少しくらい動かないと体が鈍っちゃう」
あれから3ヶ月が経った。
私たちは、まだ森の中の家に変わらず住んでいる。もちろん森もそのまま残っているし、ラピスも湖で、今ごろはお昼寝中かな。
結界の中から救いだされ、目覚めるまで3日かかり、一度目覚めてから再び眠って2日後に目覚めた私。目覚めた私は、なぜか光魔法が使えなくなり、光属性が消えていた。
二人は相当心配したらしく、その後レントはすっかり過保護になってしまった。
目覚めてから、二人からは心配したことや、勝手に自分を犠牲に動いたことを怒られた。
「私は別に犠牲になるつもりはなかったよ。レントのこと信じてたから、最後にちゃんと伝えたよね?信じてるよって」
私の言葉にレントが唖然とする。
「…確かに、言ってたけど、ごめんねって言われて、拒絶されたことがショックで、そんなのすぐに忘れたよ。助けるのに必死だったんだ」
神殿と魔方陣は、レントの魔法で燃やして壊したと聞いた。レントに怪我がなかったか心配したけど、光魔法で守られて無事だったらしい。
「レントと生きることもそうだけど、代替わりの連鎖を断ち切らないと、同じことの繰り返しでしょ?だから私が魔法陣の中に入れば解決かなって思ったんだけど、結果正解だったでしょ。」
二人が呆れたように私を見る。
「ルーナはそういう残念な子だったな。」
「まぁ、ルーナらしい考えだよ。さすがルーナ。」
褒められてもいいと思うのに、二人の反応になんだか釈然としない。
レントが神殿を燃やして、隠し部屋のルナリアさんの記録も燃えてしまった。でも、これでよかったのかもしれない。日記の中にはルナリアさんの気持ちが、たくさん書かれていた。たぶんルナリアさんも日記が燃えてスッキリしたんじゃないかな。
結界が消えてからは、国は大混乱だったようだけど、今は昔ほど強い魔物はいない。
それに、ラピスが国を守護することを約束してくれた。それによって、水龍の守る国として、周辺の国からの脅威も防げる事になり、私もレントも結界を壊したことを罪に問われることはなかった。
全てが終わって、私は今もレントの隣にいる。
レントと初めて会った時、役目から解放される喜びで、3年後が楽しみだった。
それから、レントに恋をして、3年後が来るのが怖くなった。
それが、今では、ずっと一緒にいられるなんて、本当に諦めなくてよかった。
「ルーナ、今日は満月の日だよ。夜に神殿跡の花畑に行かないか?きっと、星も月も綺麗に見えるよ」
「うん、一緒に行こう。楽しみだね」
その日、満天の星空の下、緊張したレントからプロポーズされたことは、私の一番の幸せな思い出になった。
きっと、これからもこうやって、幸せが続いていくんだね。
「ルーナ好きだよ。これからも一緒に幸せになろう。」
「私も大好きだよ。」
Fin
これで、完結です。
個人的にはルドが好きなキャラクターなので、機会があれば、ルドとルナリアの物語も書いてみたいなと思っています。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。




