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「ごめんね」のその先は   <魔女と弟子の最後の時の過ごし方>            作者: 文月みい


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水龍と魔法使い

【ラピス視点】


 俺が、アイツと初めて会ったのはルナリアが、居なくなって数百年経ってからだった。


 最初の名前は何だったか忘れたが、その時からルドと呼べと言われたな。


 ルドは前世持ちで、ずっと記憶を持ったまま何度も生まれ変わっていた。そして、その度に結界の魔法使いとして、ここに来る。


「僕は、最初の人生で大切な人を守れなかったからね。次があれば、絶対に守りたいんだ。」


 ルドはそう言って、生まれ変わってここに来る度に、魔法陣に呪いのように絡み付く闇魔法の解除を試みていた。


 ルドの愛は重すぎる。


 愛する人を守りたい、生きて欲しい、幸せになって欲しい、愛する人を想う事で闇魔法を発動して、既存の魔法陣へ干渉するなんて誰が思うだろうか。


 その事で、ルナリアは解放され、その代わりとして、魔法使いの生け贄が定期的に必要になった訳だが、ルドの優先順位はルナリアだから、結果として問題ないとルドは笑って言っていたな。


 しかし、重すぎる愛の呪いは、ルドの力を持ってしても一度で解除は出来なかった。


「…アハハ、自分で自分の愛の重さに驚いてしまうね。」


 龍の俺でも引くぞ。そんなに大事なら生きてる時に、他の方法で守ってやれば良いものを。

 だが、それを言うとルドはヘラヘラしながらも、悲しい顔になるからな。言うのは止めた。



 そして、ルドが何度目かの生まれ変わりを繰り返し、結界の魔法使いになって三百年、ルーナが次の魔法使いに選ばれた。


 ルナリアと同じ光属性を持つ子が生まれたと、ルドは恐ろしい程歓喜した。龍の俺がドン引きする程の、まぁ…溺愛ぶりだ。まだ会ってもいないのに、14年後が心配になる程だったぞ。


 初めてルーナを見た時は俺も驚いた。ルナリアが現れたのかと思う程そっくりだった。

 ただ、纏う雰囲気は違ったが…。ルーナは優しく穏やかな雰囲気で、勝ち気なルナリアとは違って見えた。しかし、誰かのために強くなれるところは同じだったな。


 ルドは、相変わらずの溺愛ぶりで、俺にルーナを会わせるのが嫌だと、湖にルーナを連れてくることは殆どなかった。

 ルナリアと親友だったことを未だに根に持っているからな。本当に嫉妬深い男だ。


 ルーナとの生活は、何事もなく穏やかに過ぎていったが、代替わりの時は近づいてくる。


 ルドは、少しずつ解いていた闇魔法を今代で解くつもりで必死になっていた。


 ルドの一番は昔から変わらない。ルーナの幸せのために、アイツは自分を犠牲にする事を選んだ。せっかく闇魔法を解除しても、ルドとルーナが一緒にならなければ、意味がないのにアイツはまた想いが強すぎて…選択出来なかったんだな。


「ルーナの幸せは僕では無理だよ。闇魔法は解除できたし、本来の魔法陣に戻った。ルーナを幸せにするのは、次の魔法使いに託すことにするよ。」


 最後に、そう言って笑うルドに怒りが込み上げてきて思い切り殴ってやった。


 ルナリアの、ルーナの気持ちを思うと、許せなくて、それから二人で派手にやり合った。


「ラピス、僕が居なくなればルーナは悲しむだろう。泣くかもしれない。どうかルーナが笑っていられるように助けてやって。僕は、自分の命を捧げることは出来ても、側に居ることは出来ないから、どうか頼むよ」


 ルドは生まれ変わる度に、自分の命の時間を少しずつ魔法で保管していた。「念のためだよ」と笑って言っていたが、それを自分ではなく、ルーナに使うつもりらしい。


「ルーナが解放されたら、この命の時間を使って。せっかく役目を終えても生きられる時間が少ないなんて意味がないからね。彼女には幸せになってもらわないと。必ず、全て終わってから使って。全てだよ。」


 本当に最後の最後まで、バカで愛が重くて不器用な男だ。


 仕方ないから、二人の親友として、俺が最後まで、ちゃんとルーナの幸せを見届けてやる。


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