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「ごめんね」のその先は   <魔女と弟子の最後の時の過ごし方>            作者: 文月みい


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魔女と弟子 《最後の一年》

 残された時間は、あまりない。だから、レントにも協力してもらい結界についての情報を探した。

 レントには、魔法使いの残した記録をもう一度調べ直してもらう。私が気づかなかった情報があるかもしれないからね。


 私は、ルドの記録を探した。やっぱりルドが最後まで研究していたものが何か知りたかった。


 でも、用心深いルドの事だから、処分してる可能性もあるんだよね。

 部屋にないなら、外に隠す可能性もある…と森の中を端から端まで探して回ったけど何もなかった。


 そして、神殿のこともある。ルドも研究が成功して神殿に行ってたから、神殿にも絶対に関係があるはず。何か、何でもいいから新しい情報が欲しい。

 


♢♢♢♢♢♢♢


 

 その日も、私は一人で神殿の中を探索していた。


 実は、レントと星空を見た後から、何故か私の目には、神殿にうっすらと、光る膜のようなものが見えるようになった。

 

 別に触れても何も起こらないし、何も感じない。レントにも確認してもらったけど、見えなかった。私以外には見えないらしい。


 突然見えるようになって驚いたけど、あの日、好きな気持ちを自覚して、色々と決心してから、心がとても安定して、魔力も安定したらしい。安定したことで、同じ魔力を感じることが出来るようになったみたい。


 精霊達が話していた私と同じ光って言うのが、たぶんこの膜のようなものだと思う。そして、魔法陣の中にも、本当に僅かだけど光が残っていた。


 この光が、光属性の物だというのは分かるけど、どう関係するのかまでは、まだ調べている途中なので、今日も朝から神殿に来たのだけど、本当に何も無さすぎて困る。


 部屋は一つで、中央には大きな魔法陣が描かれて、入り口正面に祭壇があるだけ。何かを隠せる所なんて、どこにもなさそう。

 

 祭壇の下に隠された金庫とか、地下に通じる階段があるとか物語ではよくあるのに探しても何も出てこない。


 (もし、私ならどこに隠すかしら?)


 あまりにも見つからないので、私ならどうするか考えてみる。

 

 部屋の中なら、目に付く所は避けるから、祭壇や魔法陣は避けるかな。すぐに視界に入るところは避ける…なら、上とか?


 外に出て神殿をグルッと一週してみる。特に上の方に注意して見ると、神殿の裏側上部に、窓が見える。そこから微かな光が見えた。

 

 以前は、光が見えなかったため、見逃していたみたい。神殿の中からは、二階があるようには見えなかったので、光が見えなければ、このままずっと気づかなかった可能性もある。

 

 梯子がないか探したけれど、もちろん無いので、一か八か、転移魔法で窓枠に飛ぶことにした。場所を思い浮かべれば転移出来るはずなので、注意深く窓枠を確認してイメージする。


 (上手くいきますように…。)


 意識を集中させて転移魔法を発動する。一瞬で窓の高さまで転移したと思ったら、そのまま吸い込まれるように中に入ってしまった。


「…ハハハ、何とか成功…よかったぁ」


 辺りを見回すと、小さな部屋になっていて、たくさんの書物が棚に並んでいる。


「見つけた!ルドの記録!」


 私は、たくさんの書物の中から一冊を手に取りパラパラと捲る。

 

「えっ…これ、ルドの記録じゃない…?」


 ルドの筆跡とは違う、内容も日記のようだった。いくつか違う物も読んでみるけど、全て筆跡は同じで、ルドの物ではなかった。


 (取りあえず家でゆっくり読んでみよう)


 私は、何冊か手に取り、外に出ようと転移魔法を使うが、何かに弾かれて外に出られない。      

 何度試しても無理なので、本の持ち出しは諦めて、明日レントを連れて来ることにして、その日は家に帰った。


 

 翌日、レントを連れて神殿の裏側に回る。


「見て、あそこに窓が見えるでしょ?あそこから入れるの。」


 光が漏れてる窓を指差してみるけど、レントは首を傾げて不思議そうに私を見た。


「俺には窓なんて見えないけど、壁しかないだろう?」


「えっ?あそこだよ。上のほら、少し光ってる窓があるでしょ。」


 レントは見えないと首を横に振る。


「私にしか見えないの?」


 見えないと言うことは、レントはあの部屋に入ることは出来ない。時間が無いのに、あれだけの書物を一人で確認しなくちゃいけないの?

 いや、間に合うか不安になるけど、弱音を吐いてはいられない。

 

「ごめんレント。せっかくここまで来たのに、やっぱり私一人で確認してみるよ」


「俺の方こそ、役に立てなくてごめん。」


 申し訳なさそうに肩を落として帰っていくレントを見送り、私は昨日と同様、転移魔法を使って隠し部屋に入った。


 きちんと整理された書物を一冊手に取る。中を読み進めると、誰が書いたものかすぐに分かった。


 ―ルナリア―


 それは、一番初めの結界の魔法使いだった人で、私と同じ光属性の魔法使いだった。

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