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「ごめんね」のその先は   <魔女と弟子の最後の時の過ごし方>            作者: 文月みい


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魔女と弟子 《最後の一年》

 翌日、私とレントは朝から神殿の方へ向かった。この前レントと一緒に花を見た時は、神殿の中までは入らなかった。


 最後に神殿の中に入ったのは、レントが初めて森に来て、案内した時だったけど、特に変わった所は無かったと思う。


「レント、一緒に来てくれてありがとう。一人だと不安もあったから助かったよ」


「別にいいよ。ルーナが無茶をしないか見張るのが俺の役目だしな。」


 隣を歩くレントに話しかけると、笑顔で答えてくれる。


(あれ?…レントって、こんなに優しい顔で笑う人だっけ?)


 私に話しかけたり、笑顔を見せることも増えたけど、最近は、私を見る時の表情が以前と違う気がする。何だか表情が柔らかくなって、笑顔も違う。


 そういえば、ここに来たときは同じ位の身長だったのに、背もだいぶ伸びて、今では私が見上げる程になっている。

 孤児院では、食事量も少なかったため細かった体も、ここではしっかり食べ、ラピスとの訓練で程よく筋肉も付き、しっかりした体格になった。

 

「じっと見られるの、ちょっと嫌なんだけど、何かあるの?」


 私が、じっとレントを観察していると、真っ赤な顔のレントが片手で顔を隠しながら、横目でこちらを見ている。


「えっ、あっ…ごめん。何でもない。」


 見てたのがバレて、気まずくなって、私も視線を逸らす。何だか恥ずかしい。


 今までも隣で普通に歩いていたのに、急にレントの隣が気になって、反対側に大きく一歩離れた。


「どこ行くの!」


 パシッと、右手を捕まれる。


「…っ、ど…どこにも行かないよ。」


 恥ずかしくなって離れただけとは言えず、それだけ告げる。


 捕まれた右手をくいっと引っ張られ、さっきよりもレントに近づく。


(さらに近いし…。心臓が…動悸が…なんなの。どうしちゃったの私。)


 変に意識して、鼓動が速まる。まずは、深呼吸して落ち着かせよう。

 

「あの…、手…」


 私が、そう言って右手に視線を移すと、パッとレントの手が離れた。


「ごめ…、急に離れるからつい…」


 手を離して欲しかったはずなのに、離れるレントの手を少し寂しく思ったのは、きっと気のせいだ。



♢♢♢♢♢♢



 神殿につくと、目の前に入り口が見えてくる。そこから中に入って奥まで進むと、広間の中央に魔法陣が描かれていて、青白く光っていた。


「精霊が言っていた光って何の事だ。この青白い光の事じゃないよな。」


「前からこんな感じだったから、違うと思う。」

 

 魔法陣に近づいてみるが、特に何も感じない。レントも魔法陣に触れてみるが、何も感じないらしい。


 魔法陣とは関係ないものかと、部屋を隅々まで調べてみたが、他には何もなかった。


 精霊は、秘密を教えると言っていた。私と同じ光があると…。やっぱり光魔法が気になる。


 歴代の魔法使いの記録に、神殿のことが書かれているかもしれない。もう一度読み返してみよう。


 取りあえず、今日は帰ることにして明日からは、魔法使いの残した記録を調べることにした。

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