表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「ごめんね」のその先は   <魔女と弟子の最後の時の過ごし方>            作者: 文月みい


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/20

魔女と弟子 《二年目》

「ルーナ、先に畑見てくるから、支度が済んだら庭に来てくれ。」


「えっ!ちょっと待って。私も終わったから一緒に行く!」


 あれから、私とレントは毎日一緒に行動している。

 

 ラピスから、薬作りの許可が出てからは、午前中に、薬草採取と薬作りをして、午後はラピスと魔法の訓練の為に湖まで一緒に向かう。


 あと一年と少しで、私は外の世界で1人で生きなくてはならない。その時に、光魔法が発動しまくってたらマズイと言うことで、魔力制御を覚えることになった。


 ラピスからは、「外では光魔法は使うな」と言われた。貴重な魔法だから、利用しようとする悪い人が居るかもしれない。私も厄介事に巻き込まれるのは嫌だから、意識的に魔法をコントロール出来るように訓練することになった。


 ここに来た時は、ルドと二人だけだったけど、今はレントとラピスもいて、毎日が賑やかで、あの頃とは違った楽しさがある。


(毎日楽しくて、幸せだな。こんな毎日がずっと…)


 それは……考えちゃいけない。こんな日が、ずっと続かないのは、わかっているんだから。

 結果は願っても変わらない。願った分だけ、変わらない現実に悲しさが増すだけ。

 

 絶対に変わらない未来を嘆くより、幸せな今を大切にすることを考えよう。

 

 一緒にいる間は、私の全てでレントを大切にすると約束したんだから、約束は守らなきゃ。


 私が今、レントに出来ることは何だろう。



♢♢♢♢♢♢


 

 「レント、今日は一緒に行きたいところがあるから、午前中の仕事は全部無しにしよう。」


 ここに来たときに、森の中の案内は済んでいるけれど、あの頃は、まだ少し寒くて時期が早かった。でも、今ならまだ間に合うかもしれないと思いレントを誘って、とある場所を目指す。


「結構歩いたけど、どこに行くんだ?」


「着いてからのお楽しみだよ」


 向かう先は、森の端にある小さな神殿。


 そこは、神殿以外は何もないところだけど、目の前は広い平地になっていて、普段は緑が広がっている。


「着いたよ。見て、綺麗でしょ」


「…っ」


 普段は緑でいっぱいだけど、暖かくなると、色とりどりの花が咲き、神殿を囲うように花畑が広がる。

 

「レントが、最後に見たかった思い出の花畑とは違うけど、これはこれで綺麗でしょ。」


「…っ。あぁ…そうだな。とても、綺麗だよ。連れてきて、くれて、ありがとう。」


 レントは、目の前の景色を泣きそうな顔で眺めながら言葉を紡いだ。


 あの日、丘の上で花畑を見られず、悲しそうな表情を浮かべるレントが忘れられなかった。


 同じ景色は無理だけど、いつか、この場所に連れてきてこの景色を見せてあげたかった。


「丘の花畑は、母さんと、よく…行ったんだ。一緒に手を繋いで、弁当食べたり、花かんむり、作ってもらったり、こんな…綺麗な場所だった。ありがとう…ルーナ。」


 (やっぱり連れてきてよかったな。)


 今日のこの日が、レントにとって幸せな記憶として、残るといいな。これから先もずっと寂しくならないように。


 それから私達は、しばらく、二人で目の前に広がる色とりどりの花を眺め、ゆっくりした時間を楽しんだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ