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異世界【踊り子】無双!?  作者: ピノ_ペンタゴン
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最弱役職【踊り子】

目を開けると、見たことの無い建物、見たことの無い生物、俺は実感した、俺は異世界に来たのだ。


(確か異世界に着いたらギルドに行けとシスは言っていたな)


そう思いキョロキョロとギルドを探す。

.....見つかるわけが無い。そりゃそうだ。全く未知の世界。何も分からない。困って立ち尽くしていると....

ドン!と体に衝撃が走った。


「あわわわわわわ....ごめんなさい!」


声がした方を振り返ると、小柄で幼い黒髪の少女がペコペコ謝っていた。見たところ普通の子のように見えた。猫耳とシッポがなければ。


「俺は大丈夫。君は?」


「はい、私も大丈夫です。」

「私は、エン・ロッテール。エンと呼んでください。種族は猫獣人族です。お名前聞いてもよろしいですか?」


「俺は....」


(本名を言ってもなぁ....)

そう悩んでいると、1つ妙案を思いついた。


「俺はTAKUだ」


TAKUとはダンスの時に使う名前である。

本名を伝えるよりはまだマシだろう。


「TAKUさん!良ければお詫びがしたいのでご飯でも奢らせてください!」


「いや、本当に大丈夫だよ。気にしないで。」


流石に自分よりだいぶ子供に奢られるのはなかなか嬉しいと思えない。


「しかし何かしないと私の気が収まりません!」


エンもなかなか食い下がる。そんな拮抗状態のこの状態をどうにかできそうな案が俺に1つ思いついた。


「ならギルドの場所まで案内してくれない?」


エンは目を丸くして答えた。


「ギルドですか?私もギルドに用事があったんですよ!良ければ一緒に行きませんか?」


俺は二つ返事で答えた。


「それは願ってもないことだ。お願いするよ。」


「はい!」


元気よく返事をして、着いてきてと言わんばかりに手招きをしながら歩き出した。それに少し遅れて気がついて俺もこの子の横を歩き出した。


「エンちゃん。そういえば用事ってなんなの?」


このまま歩くのもなんだか気まづいので世間話がてら聞いてみた。


「私は今日で15歳なのでジョブを授かれるんですよ!」


「ジョブ?」


「ジョブっていうのは魔物に対抗するために女神様から授けてもらえる物なんです!」

「基本的には女神様からランダムで魔法使いや剣士、人によっては上位ジョブである賢者やアイテムクラフターなんかがありますね!」

「噂では上位を超えた裏ジョブなんてのもあるらしいですよ!」

「まあ今まで授かった人は誰一人として居なくて噂程度ですけどね。」

「あとは人によっては複数個授けられて選択することができる人もいるらしいですよ!その人たちは決まって基本ジョブ2つと上位ジョブ2つを授けられてるらしいですね!」


なんとなく話が掴めてきた。

つまりこの世界ではシスが言っていた役職っていうのはジョブって呼ばれているんだ。それを使って魔物と戦うんだな。それにしても女神様ってもしかして.....


「着きましたよ!」


「エンちゃんのおかげでギルドに行けたよ。ありがとう。」


「いえいえ、こちらこそぶつかってしまってごめんなさい!ではまた!」


エンが走ってギルドに入っていく、よほど楽しみだったんだろう。


(さて、俺も入るか....)


入った瞬間、ワイワイ楽しそうな笑い声、宴会を行うグループ、貼り紙を見て考えるグループ、様々だった。


(本当に黒幕はいるのか?)


そう思いながらも俺は受付に向かった。


「すみません。ジョブを授かりたいんですけど。」


「はい!ジョブの授与ですね!暫くお待ちください!」


シスよりは少し小さめで金髪の短い髪、そしてその間から見える尖った耳、アニメによく出てくるエルフだろうか。


「お待たせしました!それでは向かいましょう!」


そう言われ俺は個室に入れられた。


「それではこのジョブクリスタルに手をかざしてください!」


言われるがままに俺はクリスタルに手をかざした。


「ジョブが出ました!」


受付のエルフさんが固まっている。


「どうしましたか?」


「5....つ?」


驚いた受付のエルフのお姉さんからそう言われ結果を渡された。

鑑定結果はこうだ。

・ジョブ1

魔法使い

・ジョブ2

大盾使い

・ジョブ3

アイテムクラフター

・ジョブ4

スナイパー

・ジョブ5

【踊り子】


エンが言っていた通りなら1.2は普通のジョブで3.4が上位のジョブだろう。なら5ってなんだ....?

そう思いながら俺もお姉さんも固まっていたら、鑑定書がボロボロと崩れ落ちた。


お姉さんは驚いた様子でこう言った。


「それはジョブが決まった時に起こるものです。しかしあなたはまだジョブは決めていないのでは...」


困り果てていると俺のジョブが【踊り子】になっていることに気がついた。


「俺のジョブが【踊り子】になっています。」


「踊り子なんてジョブ、聞いたことも...」


そう言っている途中、俺とお姉さんはワープして受付に戻ってきた。


「私には何が起こったか分かりません。しかし、何か珍しいことが起こったことは確かです。」


その時、後ろから巨漢が3人ほどで俺に近づいてきた。


「おいおい、新参冒険者さんよ。あんたのジョブはなんなんだ?」

「上位ジョブなら俺たち、大黒チームに入れてやってもいいぜ?」


面倒そうなので正直に言うことにした。


「【踊り子】だ。」


巨漢3人は目を見合せて笑った。


「ギャハハハハ。踊り子なんて聞いたこともねえ!きっと弱すぎて誰も見たことねえんだ!ギャハハハハ」


そう言って笑いながら帰っていった。


【踊り子】が弱い......?

お姉さんも聞いたことがないって言ってたしそうなのか...?

なんにせよ情報が足りない。人から話が聞きたい。そう思っていた矢先、エンが帰ってきた。


「エンちゃん。お前のジョブはなんだったんだ?」


「私は、賢者でした!上位ジョブなんて幸せです〜」

「そういうTAKUさんはなんだったんですか?きっとすごい聞いたこともない上位ジョブなんじゃないんですか?」


俺は引きつった笑いをしながら今まであったことを話した。


「ジョブが5つ、誰も知らない『踊り子』というジョブ...」

「すみません、私には何も....」


残念そうなエンがそう言った。


「いやいや、仕方ないよ。誰も知らないんだから。」

「ありがとう。エンちゃん、今日は宿屋にでも泊まって明日また考えるよ。」


「宿屋の場所分かるんですか...?」


そう言われ俺は固まった。そうだ、俺ウェルバスのことなんにも知らない。その様子を見てエンは笑った。


「私も宿屋に泊まるので一緒に行きましょう!」


そう言って俺とエンは歩き出した。宿屋に向かう途中、エンが言った。


「そうだ!これあげます!ここの街、アンカレの地図とミーファです!」


「ミーファ?」


「ミーファっていうのは遠くにいてもお話ができる装置なんです!」

「まあ厳密には違うんですけどね。」


俗に言う電話か。


「ありがとう。貰っておくよ。」


そんな話をしていたら宿屋に着いた。


「それではまた!」


エンが先に部屋に向かった。


「俺も向かうとしよう。」


部屋に着いた。ベットに寝転んだら今日の疲れですぐに意識が飛んだ。


誰も知らないジョブである【踊り子】、そんなジョブでこの世界、ウェルバスを救うことになるとは未だ誰一人、TAKU自身とて知る由もなかったのである。

最後までご覧頂き、ありがとうございます!

素人ながら頑張って書いているのでこれからも見ていただけると幸いです。

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