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スーサイドメーカーの節度ある晩餐  作者: 木村
第四話 ちらし寿司と心中
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不穏でも春

 帰りの車の中でふと思った疑問を口にする。そのことにもう、さほど恐怖はなかった。


「きみの体の痛みって薬がないとどのくらいひどいの?」

「……体が起き上がらないぐらいですよ」

「それで無理心中なんてできないね」


 彼は目を丸くして私を見たあと、少し笑った。


「そういう野暮なことを言ってはいけませんよ。……父は自ら死を選んだ。彼に巻き込まれて家族も死んだ。それでいいんです。それが一番、今となっては綺麗なおしまいですから」


 白翔くんは笑った。

 ――だから、やっぱり予想通り、きっとそこにもなにかあったのだろうとは、分かった。


「……そっか」

「ええ、そうです」


 でもそれを聞くのは十年後ぐらいでいい。もしくは私が死ぬ直前でもいい。いや、いっそ、聞かなくたってもうよかった。


「今日は楽しかったね、白翔くん」

「ええ、お揃いのものがたくさん買えましたね」

「……そこ?」

「新婚みたいで嬉しかったです」


 クスクスと彼が笑った。なんとなく、……きっとこれからも彼に巻き込まれながら、私は生きていくのだろうと思った。

 今日は眠れそうな、……そんな気がした。



最終話 ショートケーキと告解へ続く

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