32/47
春は不穏
――I saw the best minds of my generation destroyed by madness. (私はこの時代の最高の才能が狂気によって破壊されるのを見た)
私たちは前方についた2つの目で見たことを『正解』と判断する生き物だ。それを浅はかととらえるか、それを愛らしさととらえるかは、上部についた1つの脳みその判断だ。
結局、人間は自分の判断でしか『正解』を見つけられない。
最高の才能も、それを破壊する狂気も、この目で見なければ判断はつかない。
そして存外、『そんなもの』は自分の目で見てしまえば大したものではないのかもしれない。むしろ自分の目では決して見られないものにこそ、狂気は宿っているのかもしれない。
そんなことをぼんやりと思いながら、私は『彼』の背中を見ていた。




