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スーサイドメーカーの節度ある晩餐  作者: 木村
第三話 シュークリームとストーカー
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母さんモーニング

「朝だよ、舞ちゃん」


 優しく揺さぶり起こされて、目を開く。眠りのない体は疲労していたが、この穏やかな声に起こされては起きないわけにはいかない。

 『母』はとても優しく微笑んでいる。


「朝ごはん作ったから食べよう、舞ちゃん」

「うん」

「疲れているの?」

「……少しね」


 私は目を覚まし、彼女の微笑みに微笑みを返す。


「朝ごはん、なに?」

「ごはんと味噌汁よ。じゃがいもの味噌汁」

「……そっか」

「嫌だった?」

「ううん、……大好き」


 パンケーキを食べたいと少し思い、でもそんなものを朝からねだれるほど子どもではなかった。だから母と、母が作ってくれた朝食を食べる。それはそれなりに美味しいものだった。


「冷蔵庫にシュークリームがあるから食べてね」

「ありがとう、舞ちゃん。出かけるの?」

「うん、……帰りは待たなくていいよ」

「はあい、またね、舞ちゃん」

「……うん、またね、母さん」


 家を出ると、強い風が全身を包む。

 春が近づいてきているのが分かる、気味の悪い、生ぬるい風だった。


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