1/3~1/5 もぎしけん
今週末共通テストか…
1/3
「お母さん、参考書とか過去問とか買うお金ちょうだい。」
俺は今問題集を買うための金を母親にせびっている。
毎日100時間、200時間もやっていたら問題集が七周終わるのも無理ないだろう。
7周と言う根拠もなんかテレビで問題集を7周すれば知識が完全に定着するとかなんとか言っていたからそれを実践しただけのことだ。
「あら、そうなの。ならこれで買ってきなさい。」
そう言って母は勉強に熱心な息子に感心したのか上機嫌そうに俺に5000円札を手渡した。そしてその5000円札を財布に入れ、書店へと向かう。
書店にはまぁまぁの種類の参考書やら過去問が置いてあって出来るだけネットの評価が高いやつを選んでかっていった。
中学三年間総復習!英語編
難関校用 エキスパート数学
とか書かれたやつをそれぞれ5教科分ずつ買ったり、自分の志望校ということにしている総沢高校、香と一緒に行く予定の幕長高校、公立高校の過去問を買い、家へと帰る。
問題集を自分の部屋の中に置いた後、家のリビングで少し暇そうにしている母と話をする。
「お母さん、俺幕長高校受ける。」
「なんで?それに総沢高校と受験日一緒じゃない。成績が全然釣り合ってないわよ。」
「それでも幕長高校に行きたいんだよ。何すれば受けさしてくれる?」
「それじゃあ1/5の模試でいい結果、そうね、偏差値70代を取れたら受けさしてあげるわ。」
「うん、わかった。」
偏差値70と聞き驚いてしまったが、俺にはとてつもない時間がある。きっといけるはずだ。たとえ前の模試で偏差値38だったとしても。
1/4
「宅配でーす。」
家に妹が買え、と俺に言ってきたパソコン15台が家に届いた。
それらの周辺機器のために100均へと向かう。
100均で前買ったのと同じのを延長コードを10個、ACアダプタを15個買い、家へと帰る。
そしていろいろな準備ができたのでまた勉強を始めた。
1/5
「行ってきまーす。」
今日は模試当日だ。圧倒的勉強量から来る自信と香と一緒に会場へといけるという興奮から声が多少高くなりながらそう言い、多少外気のせいで温度が低くなっている玄関から家を出た。
「あ、流村くんおはよー」
「それじゃあ一緒に会場に行こっか。テスト頑張ろうね!」
と言い、バスに乗って試験会場へと向かう。
俺以外の人はみんなピリピリした表情でテスト会場にいるが、俺は余裕があるように振る舞う。
圧倒的勉強量に裏付けされた自信もあるが、何より香の前である。恥を晒してはいけない。
テストは圧倒的勉強量のおかげでもちろん今までで最高の出来を確信できる内容だった。そんなうわついた気持ちで帰りにも香と話す。
「香、今回のテストどんな感じだった?」
「うーん、まぁいつもの勉強の成果がそのまま出たって感じかな。それじゃあ流村くんはどうなの?」
「俺もそんな感じかな。」
「あー、流村くんが結果をあやふやにしたなー、怪しいぞーっ。」
と、バスの中でイチャイチャするのを楽しんでいるとすぐ最寄りのバス停に着いてしまった。
「じゃあな、香」
「うん、じゃあね」
そして、家の中に入ると偏差値70以上でありますように、とお守り祈って勉強を始めた。
ぶっちゃけ1月に模試やっても何も変わらない。
今回の学習時間 647時間
残りの学習時間 8437時間
今日の支出 28500円
全財産 63000円