1/1 初日の出&初詣
あけましておめでとうございます。(1/8)
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夜明け前、5:30に目が覚めた。昨日の香が送って来たLINEが250時間ぐらい前のことではあるが、俺の気持ちを高揚させたんだ。
朝ごはんを食べ、服にアイロンをかけ、歯磨きを
『☆男性必見‼︎☆女性は男性のココを見ている‼︎女性100人にアンケート。』というサイトを見ながら丁寧にして、顔を丹念に洗って寝癖を丁寧にとかす。
好きな女の子に近距離で会えるのに身だしなみを整えないわけがない。出る1時間前には鏡の前でおかしな見た目をしてないか5分ほど確認した後、荷物の確認に入る。
お茶の500mlペットボトル、自分が使う用のハンカチ、もしなんかあった時に香に渡す用のハンカチ、ティッシュ2袋、カイロ3袋を肩掛けバッグの中に入れる。
そして、財布の中には1万円札や千円札など初詣においてほとんどのシチュエーションにでも対応できるような金額を入れておく。
そしてそれを3回声を出して確認したところで集合まであと15分となったので家の玄関から香の家を見て、6:30まで待つ。
7時になったので30秒ほど歩いて香の家のインターホンを押す。香が出てきて話しかけて来た。
「えっと…家族はなんか初詣行かないらしいから、2人で行って来てって言われちゃったんだ、流村くんはそれでいいよね?」
「うん、全然いいよ!」
多少興奮に声が上擦った気もするが気のせいだろう。
しかし、緑本家の人たちがもしかして俺の気持ちを察してくれたのかな、と多少自意識過剰になった考えを持ちながら強く同意を示した。
「じゃあまず初日の出、見よっか!今日は7:20ぐらいに日の出するらしいからもうちょっと高いところに行こ!」
と言われ、若干赤くなっている東の空を見ながら近所の坂の上にある公園へと行き、そこに2つあるひんやりとしたブランコに1つずつ腰掛ける。
「寒そうだからカイロ貸すよ、俺何個か持ってるし。」
とわざわざ何個も持ってきたカイロの中から一つを渡す。
そして、そのまだ冷たいカイロを手で擦り、暖を取ろうとしている香を見ながらカイロを持ってきたのは正解だったな、とか考えていると東の空の赤色がどんどん広がっていく。
「ねぇねぇ流村くん、もうそろそろ日が昇るんじゃない?」
「そうだね、ちょっと立って見てみる?」
と言い、ブランコから立ち上がって坂の方を見てみると坂の下にある家々がどんどん赤に染まっていき、オレンジと赤を半分にしたような太陽が見えてくる。
「綺麗だね」
という声が隣から聞こえて来て、横を見てみると赤の光にライトアップされた香の美しい横顔が見えた。
そうしてしばらくの間日の出を眺めて、
「それじゃあお寺に行く?」
という香の提案に従ってお寺行きのバスを待つ。
「そういえば1/5の模試受けるんでしょ?」
といきなり幻想の世界から現実に戻されるような言葉をカイロを大事そうに持つ香から発せられる。
「あぁ、受けるよ。」
「うん、私も。って、ちょっと暗い雰囲気になっちゃったね。なんかごめん。」
「いや、全然大丈夫だよ。」
もうちょっといい返しができなかったかなぁ、と考えていたらバスが来た。それに乗ってお寺へと向かう。
「あっちゃー、参拝めっちゃ並んでるねー。」
「うーん、そうだねー。こっちで日の出見てそのままお参りって感じでも良かったかもね。」
「それはバスが無かったから出来なかったんだよねー。だけど待つしかないでしょう!」
と話しながら少しでも長く香と一緒にいれて嬉しさを堪えるので精一杯だ。そうして並んでいると30分後にやっと賽銭箱の前まで来た。
拝みながらこう祈った。
『神様、仏様、どうか香が志望校に受かりますように』
そうして祈った後、学業御守を一つずつ買い、2人で甘酒を飲みながら話した。
「そうだそうだ、流村くんはどんなことお祈りしたの?」
「ん?志望校に受かるといいなーって祈ったよ、それじゃあ香はどんなこと祈ったの?」
「それは私も志望校に受かって欲しいって祈ったよ。」
そう言って、しばらく騒々しい境内で甘酒を飲んだ後で家へと帰った。
家に帰って香とのデート?の思い出をいつでも思い出せるように御守りを筆箱につけておく。
そして香との夢の学園生活のために勉強を始めた。
正月デート、いいですね。
今日の勉強時間 160時間
残りの勉強時間 9244時間
今日の支出 1500円
全財産 111500円