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12/29 幼馴染に見栄を張りたい主人公

認められるために頑張りたい!

12/29


さて、俺の時間泥棒(タイム-スティール)をどうやって使うかだ。

それじゃあどれが対象となって、どれが対象にならないかを試してみなきゃわからない。


ということで食卓の上にあった100時間熟成パンを食べる。 

そして食べた後に

「俺は100時間熟成パンに対して時間泥棒(タイム-スティール)を使う!」


何も起こらなかった。

もし時間泥棒(タイム-スティール)が発動していた場合、腹の中にあるパン一個分の腹の膨れが気になるはずだった。

しかしそれが感じられなかった、市販のパンは時間泥棒(タイム-スティール)の対象外なのだろう。


そして、スマホを開き、数十回再生された自分の低品質な動画についても使ってみる。


「俺はこの動画に対して時間泥棒(タイム-スティール)を使う!」


また、何も起こらなかった。

もし発動したら再生数がゼロになっているはずだから発動してないのだろう。


これが使えなかったら新しい案を考えなければならない、と若干の焦りを覚えながら最後の案を試してみる。


開いたままの動画サイトで雑談生配信と調べ、それをわざわざ同節が0のものを開く。


「俺はこの生配信に対して時間泥棒(タイム-スティール)を使う!」


すると、同節が自分は見ているのに0になるということが起こった。そして、この生主が何を話していたのかすっぽり抜けてしまっていた。

これは成功したのか確証が欲しくなり、女神を呼んだ。


自分のベッドの上にいきなりあの女神が立っていた。


「なんで私が仕事で手一杯って言うのに呼ぶのかしら。

ちゃんとした理由がなかったら時間の配分減らすわよ。」


「はぁ、じゃあさっさと済まそうか。この生配信は時間泥棒(タイム-スティール)の対象なのか?」


「ええ、今のところはね。」


「今のところはってどう言う意味だ?」


「今この配信は見ているのがあなただけだからこの生主はあなたのためだけに配信してるの。

だからそれは時間泥棒(タイム-スティール)の対象になるわ。

でもあなた以外の誰かがこの配信を見始めたら対象外になっちゃうのよ。

あと質問代としてあなたの1時間もらっていくわ。」


「ちょ、なんでもってくんだよ!」


そう言った時にはベッドの上には誰もいなかった。


「はぁ、まあいいか。」


と呟き、気持ちを切り替える。


今の問題は配信をどれだけ同時にたくさん開けるかだ。

そのためには家族の知らない電子機器を手に入れ、それで見まくるしかない。

そのためには自分以外の家族が明日から帰省をするので、その時の準備として生配信を見れる程度のスペックの機会が必要である。

そのために10台1円でネットに売られてたノートパソコンを2セットぐらい明日の昼ごろに着くよう注文した。


家の電子機器を集めたり、そのパソコンの動作確認などは、家族がいなくなってからすることにしよう。


「よし、じゃあ勉強をするか!」


そうして地理の教科書と睨めっこをしていたらドアのベルが鳴った。


「すいませーん、緑本でーす。」


その透き通るような綺麗な声が俺の耳に届くや否や、ドタドタと音を立てない程度に出来るだけ早く玄関へと向かい、ドアを開けた。

そうすると自分の目の前には美少女がいた。同級生の幼馴染である緑本 香(みどりもと かおる)である。

急いで来て少々上がってしまった息を整えてこう喋りかける。


「どうしたの、香?ちょっと話すんだったら玄関に入って話そ。」


「わかったよー、流村くん。

そうだ、なんでここに来たかっていうことだったら、だって怪我したんでしょ?心配だったから見舞いにきたんだよ。

それにしてもなんでそんな息切らしてきたの?」


「えーっと…待たせたら寒そうだなって思ったから、かな?中で話すとかってどうかな?」


「お気遣いありがとう。じゃあ是非お願いします!」


心の内に秘めた興奮を表に出さないよう気をつけながらリビングダイニングの扉を開け、そこのこたつに入る。

 

「流村くんは受験どうなの?」


「うん、昨日辺りから本腰入れ始めたんだけどね…」


「あはは、そこで怪我しちゃったわけなのかな?」


「うん、そんな感じ。ところで香はどんな感じなの?」


「うーん、このまま頑張ってたらいけるかな?」


「そうなんだ、お互い頑張ろうね!」


そうやって香は家へと帰って行き、俺は呟いた。


「ふっ、実は同じ高校行くために必死こいて頑張ってんだけどな。」




態度がわかりやすい主人公、嫌いじゃない。

クヨクヨしてる主人公、嫌い。


今日の勉強時間 11時間!

残りの勉強時間 9652時間!

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