表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/51

お休みの2人!

本日お休みの2人……

本日お休みの2人、疲れからゆっくり眠っていると思ったのだが、

「おはようございます社長!いや~、気持ちのいい朝ですね!」

「本当にいい天気ですね!…絶好の休日日和です!」

「休みの時くらい、もう少し寝てたらどうだ?」

「何言ってんすか?…休みの日は早く起きる!」

「そして、休みを目一杯満喫する!」

「……翌日は?」

「そりゃあ……体よくサボる」

「謙二……それを俺に言っていいのか?」

「大丈夫でしょ、社長は同じ匂いがしますから!」

「おい!」

「まあまあ社長……でも、確かに似た匂いはしますよ?」

「伸介、お前まで……お前等は、本当に……」

大輔はぶつぶつ言いながらも朝食を作っている。なかなか手際が良い。

「そういえば、ボクサー達は?」

「もう走りに行ったよ」

「こんなに早く?……俺、ボクサーじゃなくって良かった……」

「謙二……お前はボクサーは出来ないよ……」

ボクサーの朝は早いらしい。3人は色々話しながら、結局は朝食を作り終わった。

「おはよ~……」

夏海があくびをしながら降りて来た。

「……社長、あれはまずいでしょ……」

「……1番遅い……」

「夏海……少しは自重しろよ……」

「何よ朝から」

朝から楽しそうである。


ボクサー達が帰って来て、朝食となった。篠原は相変わらず、謙二と伸介と一緒に朝食を食べている。

「しかし……2人はインターハイに出てるんだね?」

「よく知ってますね?」

「何で知ってんですか?」

「いや……インターネットは便利だよ」

「成る程……」

「謙二さんは……」

「俺の事はいいですから……それより、今日も練習ですか?」

「それがメインだからね……午前中は走って……午後からはジムワークかな?」

「うわぁ……更に練習が増えるんですか……」

「流石に凄いな……」

「何言ってんの?…石谷もやってる事だよ……いや、もっときつい練習してるかな?」

「「うわぁ……」」

ボクサーの練習に圧倒される謙二と伸介であった。


謙二と伸介は、謙二の車で出掛ける事にした。

「送ってってよ~!」

夏海の我が儘に付き合い学校まで送って行った2人、そのまま気ままにドライブとなった。

少し車を走らせると、バッティングセンターが有る。

「よし、まずは勝負とするか?」

「いいね!……で、どうすると勝ちなんだ?」

「ヒットで1点、ホームランは2点でどうだ?」

「ボードに当たらないとホームランとは認めないぞ?」

「それでいいや……後は?」

「ホームラン以外のヒットは、例え大きい当たりでも1点だな?」

「そのつもりだけど?」

「よし!…罰ゲームは?」

「昼飯を奢る!」

「いいねいいね!…寿司が旨そうだよな?」

「伸介、もう勝った気でいるのか?」

「そりゃあね……竹刀といえど、俺のが振る事には慣れてる筈だ!」

「ほう……でかい口は終わってからにしろよな?」

バッティングセンターで勝負となった2人、なかなか白熱となった。

先攻は謙二、200円を入れて右バッターボックスに立つ。最初こそ空振りも有ったが、慣れて来るとヒット性の当たりを連発する。最後は大きい当たりをし、ホームランのボードの横を通過した。

「当たったよな?」

「当たってない」

「いや、当たったって!」

「脇を通過だ」

とりあえずは、最後の打球はヒットという事になった。謙二は10点である。続いて伸介となるが、伸介は最初からいい当たりを放つ。このまま一気に勝負有りかと思ったのだが、途中から当たりが鳴りを潜め、結局最後にヒットを放ち10点となった。

「こうなると……やっぱり俺の最後はホームランという事にしよう!」

「何言ってんだ、ヒットだよ!」

「負けるからって、事実を捻曲げるなよ!」

「馬鹿なのか?…事実だろ!」

2人は言い合いをし、結局は第2ラウンド開始となった。しかし、なかなか勝負は着かない。どちらが勝っても[もう1回]となり、最後は5勝5敗となっていた。

「引き分けで、自分の金で好きな物を食べる……」

「そうしよう……」

引き分けの様である。2人は肩で息をしながら、バッティングセンターから出て来た。


一汗掻いて、どうやらお腹が減った2人、そのまま早めの昼食を取る。海鮮を食べる事にした様だ。丼ものの店に入り、海鮮丼を食べて満足の様である。

昼食後、特にやる事が決まっていない2人は、改めてドライブを続行した。窓を開け、気持ちのいい風を受けながらのドライブとなっている。夏本番となれば、こういったドライブも出来なくなる。今のうちに楽しんでいる様子である。

気になった所に寄り、だらだらとした時間を過ごす。2人はそれを、贅沢な時間だと感じている様である。謙二も伸介も、久しぶりに心から楽しんでいる。ここに来た事は、今の所は大正解である。


夕方になり、伸介は謙二に頼んで剣道の道場に来ていた。

「大槻さん、来てくれたんですか?」

「はい……暫くはブルー·マリンに居ますので、ちょくちょく遊びに来ます」

「何時まで居るんですか?」

「……夏の終わりまで……ですかね」

「こいつ、会社辞めて来たんですよ……ブルー·マリンで俺とバイト!」

「え?…仕事辞めたんですか?」

「はい、海の見える所で働きたくなって……」

「俺の影響!」

「違うわ!…誰があんた何かに!」

「素直になれよ!」

「俺は素直だ!」

「まあまあまあ……2人が仲がいいのは分かりました」

「「ちょっと!」」

「とりあえず、大槻さん…これからお願いします」

「こちらこそ、お願いします」

伸介は剣道の道場に顔を出す事になった。


2人の休みは、こんな感じで過ぎていった。なかなか楽しい休みである。余りにも楽しい為、2人は大事な事を忘れていた。

「あれ?……謙二、夏海ちゃん……」

「夏海?……………………」

「「あ~~~~~~!!!!」」

「やばいやばい、忘れてた!」

「学校、大分前に終わってるぞ!」

謙二はアクセルを踏み込んで夏海の高校に向かったのだが、夏海は帰った後の様だった。

ブルー·マリンに着いた2人、

「謙二と伸介の馬鹿!この馬鹿馬鹿コンビ!」

「ごめん夏海ちゃん!」

「怒るなよ~、後で伸介が奢るから!」

「本当?」

「何で俺なんだよ~?」

「お前が忘れてたからだろ?」

「謙二も忘れてただろ?」

「俺は……何となくだよ……」

「何となくって何だよ?」

「何となくは何となくだよ!」

「何で少しキレ気味なんだよ?」

「うるせぇな、お前は細か過ぎんの!」

「あんたが大雑把過ぎなんだ!」

「あのねぇ!…1番の被害者は私なの!」

「「ごもっともです。すいません……」」

休みの日も賑やかな2人である。

夏海は、どうやら2番目の被害者となった様である。

色々とやってくる……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 海の家は休みも賑やかですね。 ボクサー達は休みもなく練習、篠原さんも頑張りどころですね!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ