襲撃者とは?②
「まさか……グリブラ…」
「グリブラ?」
― そう我が名はグリブラ。ん?金髪にエメラルドグリーンの目…そうか!おまえが王子か!なんと素晴らしい!姉と共にあの世に送ってやるわ! ―
「えっと……ブリグラ!…だっけ?姿を見せやがれ!」
― 違う!我が名はグリブラだ!姿を見せろだと?くっくっくっ…今さっきから居るではないか。おまえの目の前に。―
「目の前だと?目の前には……クロックしか居ないぞ?」
……………
「あのさー、カイル。私、クロックが怪しいと思うんだけど……」
ファーがぽつりと呆れた様に言った。
「なに!クロックだと!」
― おまえ……それ本気で言っているのか?…まー良い。どうせおまえはここで死ぬ運命なのだからな! ―
「カイル!クロックはたぶん操られているだけよ!グリブラは人を操る術が得意なの!」
「了解!サンディー、シルフィー!部屋から出るんだ!ここは俺達に任せろ!」
サンディーとシルフィーが部屋から出るのを見届け、俺はクロックに向かった。クロックには悪いが少し眠ってもらおう。ベッドから降りると立てかけてあった剣を手に取り、鞘のままクロックに振り下ろした。
ガッ!
が、俺の攻撃をクロックはまさかの琴で受け止めた。
「死ね!」
そして俺に向け琴を振り下ろしてきた!
「うわっ!」
俺は紙一重でクロックの攻撃をかわした、がその時、弦に触れた俺の髪が数本、床に落ちた。
「こいつ、弦に何を仕込んでいるんだ!」
「カイル!琴の弦には鋼糸が仕込んでいるってクロックが言ってた!」
「サンキュー、ファー!ついでにその物騒な琴に向かってファイヤーだ!」
「思いっきり?」
「ああ!全開でだ!」
「ラジャー!…………ファイヤー!」
ファーの身体(約十センチ)の倍ほどの火の玉が現れ、クロックの琴に向かって飛んで行った。
「うわぁー!」
火の玉は琴に直撃し、その熱さでクロックは琴を落した。
「リー!シェイドを頼む!」
「うん!全ての闇を司る闇の精霊シェイドよ!我が敵に真の暗闇を見せよ!」
クロックの身体を包み込んだ!……と思うとすぐに消えてしまったが、クロックには周りが暗闇になったように見えているみたいだ。
「なんだ!何も見えない!くっそー!」
「クロック!悪く思うなよ!」
「ねぇ、私は?」
「ルナは何もするな!」
「ルナは何もしないで!」
「ルナ、お願いだから何もしないでよ!」
三人同時に同じ事を言った。
「私って一体…」
さすがにルナもショックだったようだ。泣きそうな表情でその場に座り込んだ。
まー、とりあえず先にクロックの方を何とかしなければ。
俺は拳に全身の力を集中させクロックに向かった。
クロックは俺の攻撃をかわそうとしたが、視力を奪われているのでどうする事も出来なかった。
ドスッ!
俺のパンチが見事にクロックのみぞおちに入った。
パリーン。
クロックが倒れた拍子に何かが割れる音がした。
クロックの近くに割れた指輪が転がっていた。
― おっ、おのれ!覚えていろよ!エポス国の王子!次こそは…… ―
「どうやらこれが操る道具だったようだな。」
「これでとりあえず一件落着ね。」
「なにが一件落着、よ!皆して私をのけ者にして!」
ルナが泣きながら言った。
「まーまー。許してくれよ、ルナ。あの時にルナの魔法があったら俺が生きているかどうかわからなかった……あっ!」
「ふーん。カイル、そんな事言うの。」
追い掛け回されているカイルを見ながらファーが呟いた。
「カイルって、一言多いんだよねー。」
ありがとうございます。




