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名のない物語  作者: K
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青い目の少年とその仲間①

「なんていい天気なんでしょう!」


と、どんよりと曇った空の下でとても明るい声がした。その声の持ち主は、目も醒める様な金髪をおさげにしている少女のものだった。


「あのなー、ルナ。この空のどこがいい天気なんだ?」


茶髪で青い目を持った少年が言った。すると、金髪のルナと呼ばれた子が頬をふくらませて言った。


「だって、雨が降ってないもん!」

「アハハハ!一本取られたね、カイル!」


カイルと呼ばれた少年の肩から声がした!…と、思ったら彼の肩には妖精が二匹、いや二人いた。男の子と女の子でしゃべった方は女の子の方だ。彼女は尚も笑いながら、少年の周りを飛び回ったので、少年は顔を顰めた。


「うるさい!ファー!おまえはリーを見習って少しはお淑やかさを身に着けろよ!」


「カイル…。ひどいよー」


と、少年の肩の上で男の子の妖精が泣きそうな声をあげた。



 ディーノ大陸の一番大きな国、チャウス王国の表通りを歩いている。

 俺達は冒険者だ。冒険者とは旅をする者のことを意味している。

 この世界には魔法も精霊も神も実在していて、無防備なまま町を出ると凶悪なモンスターによって食べられてしまう。旅に出る者はそれなりの訓練をするので、冒険者と呼ばれているんだ。


 俺の名前は、カイル。十六歳。

 旅の目的を話そう。小さい頃、事故で両親を亡くした俺はボブじいちゃんに育てられた。ボブじいちゃんは俺をとても大事に育ててくれた。

 だが三年前、村が盗賊団に襲われ、村の大半の大人を含めボブじいちゃんは殺されてしまった。そして、俺は村とじいちゃんの仇を取るため旅に出た。

 まー、外の世界に興味があったことも理由だったな。ボブじいちゃんが生きていた頃は隣町にだって行かせてもらえなかったからな。

 俺の特徴と言えば青い目と茶色の髪だな。白のシャツに皮の鎧を付け、茶色のズボン、黒のブーツ、黒のマントを羽織り、鉄の額あてを装備している。性格は周りからは子供っぽいと言われるが、自分ではそんなつもりはないのだが。

 得意武器は長剣。剣の腕は結構いけると思う。そして、欠点と言えば、小柄で目が大きいのでよく女と間違えられたり子供だと思われることだ。


冒険者にとって仲間にいるといいなと思う仲間といえば、やっぱり魔法使いだ。

 俺達のパーティーにも魔法使いがいる。名前はルナ。大きな赤褐色の目をしていて長い金髪をおさげにし、紺色のローブを纏い、茶色のブーツ、樫で出来たロッドを持っている、結構可愛いが、残念なことに、かなりボケた性格をしている。

 ルナとは小さい頃からずっと一緒に育てられた。俺が旅に出る時に付いてきた。まぁ、一人で村に置いて行くわけにはいかないし、一応魔法使いだから役に立つかな、と思って連れてきたんだが…魔法の方はさっぱりでうるさいだけ。昔、村の噂でルナがすごい魔法を使うことが出来るというのを聞いたことがあるが、俺は何かの間違いだと思う。なぜなら、一緒に旅に出てもう一年にもなるが、一度もルナの魔法が役に立ったことがないからだ。つまり魔法がへたなのだ。


 俺達パーティーには珍しい妖精が二人もいる。女妖精のファー、男妖精のリーで、二人とも子供の妖精だ。何かよくわからない繊維で出来ている、緑のワンピース見たいな服を腰の辺りで、やはり何で出来ているのか分からない白い紐の様な物で括っている。二人は俺とルナが旅に出て間のない時“クロードの森”でファーが怪我をしていたのを治してやったら初めは怖がっていたくせに、俺達のことが気に入ったとか言って付いてきたんだ。それを見ていたリーが心配して付いてきたって理由さ。

 だが、体が小さいと言っても、ファーのファイヤーはかなりのレベルだし、弓の腕もプロ級。リーは精霊使いでありながら、凄腕の薬剤師。どっかの魔法使いよりもよっぽど役に立つ。しかし、二人の性格は完璧なほど反対で、ファーは勝気と言うより男勝りだし、リーは内気でかなりの恐がりだ。


 

そして今、俺達は表通りを歩いている、と言ったがなぜ表通りを歩いているのかと言うと、それは今朝のことだった。



ありがとうございます。

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