もしかして王子様?②
「いってーー!!」
突然の痛さで俺は飛び起きた。
痛さの原因はルナから受けた傷。
改めて身体を見ると、訪台がグルグルに巻かれていた。どうやら、リーが手当てをしてくれたようだ。
「大丈夫?心配したんだよ?もうすぐ麻酔が切れる頃だと思ったから皆で様子を見に来たんだ。」
リーが俺の前まで飛んできてそう言った。
入口の方を見ると、1人、見慣れない奴を含め、ルナ、ファー、サンディーがいた。
「ルナが繰り出したかかと落としが見事に決まって気絶していたのよ。そこら辺の人には負けないけど、ルナだけには勝てないのよねー、カイルは。」
「ごめんねー。つい、我を忘れちゃって……えへへ。」
舌を出してルナは顔を赤くした。
「ったく、少しは手加減ってものをしろ。」
「自分だって言えたことじゃないんじゃない?あっ、でもさっきは前髪だけにしたっけ?」
からかうようなファーの苦笑に反応する声がした。
「前髪?」
聞きなれない声。
そういや1人、見慣れない奴がいたな。
「なぁ、こいつ誰?」
俺の問いかけに全員が顔を見合わせて答えた。
「…行き倒れの人……」
「…ってことで、おまえ、名前は?」
「さっきから行き倒れや、こいつや、おまえとは失礼な!僕には、クロックという名前がある!」
「クロック?時計??」
…ファーがからかいだした。
ファーには初めてあった人をからかう癖がある。クロックはその犠牲者になったのだ。
「誰が時計ですか!」
クロックは顔を真っ赤にしてファーを叩き落そうとした。どうやら時計にコンプレックスを持っているようだ。
ファーはその手をひらりひらりとかわした。
「…このっ!…くっそー!!…チョロチョロと!…虫みたいに!」
「誰が虫よ!女の子に向かって酷い!!」
と、言うとファーは指先に火と灯し、クロックの服をなぞるように触った。
「あっっーーー!!」
あっという間にクロックの服に火が乗り移り、その暑さにクロックは服を脱ごうとしたが、上手く脱げずに四苦八苦した。
「……ったく、ファー、やりすぎだぞ。リー、助けてやれ」
「あっ、待って、私がやる!」
ルナが目を輝かせて言った。
「本当に大丈夫か!?火を消すんだぞ?」
「もう、わかってるわよ。大丈夫、任せて!えっと…火を消すんだから……アイス!」
ガンッ!
巨大な氷の塊がクロックの頭の上に落ちた。倒れたクロックの上にゴロリと転がり、そのまま溶けた氷によって火は鎮火された。
……………
「……おい。俺は火を消せって言ったんだぞ!火を消すには氷をぶるけるんじゃなく、水を駆ければいいんだろ!」
「だっ、大丈夫よ……たぶん……生きているわ…」
クロックが奇跡的に目を覚ましたのは、それから三日程経ってからだった。
ありがとうございます。




