プロローグ
頑張って続けていけたら…と思います。
よろしくお願いします。
「敵だ!」
「王を守れ!」
-王の間-
「インルーン王!早くお逃げを!敵兵が攻めて参ります。レイドリア様も早く!」
今年で30歳を迎えた、明るい茶色の髪を持つ若い王、インルーン王は穏やかな深い青の瞳を、美しいエメラルドグリーンの瞳を持つ王妃、レイドリアに向けた。
「わたしは、この国の王としてここに残る。おまえは子供達を連れて早く逃げるんだ」
「私はこの国の王妃です。あなたと、この国を捨てて逃げることなどできません!」
涙ぐみながら王妃は言った。ちょうどその時、生まれて間のない王子の泣き声が聞こえた。
「お前に守って欲しい子供達を預けるだけだ。子供達を守れるのはお前しかいないのだ。お前にはオリバーをつけよう。早く行け!」
オリバーと呼ばれた男は王の言葉が終わると部下と共に王妃の手を取り、籠に入れられ眠っている王子を抱きそして、4歳になった姫を背負い、もうほとんど人の残っていない城の中を駆け、隠し通路に飛び込んだ…はずだった。しかし、オリバー達の後ろにいたはずの王妃の姿はなかった。
愛しい家族を見送った王は、扉に背を向け静かに玉座に腰を下ろした。遠くらから聞こえる喧騒に小さく息を漏らすと瞳を閉じ
「幸せに暮らしてくれ」
と小さく声を漏らした。
「あなた」
不意に声をかけられたインルーン王が顔を上げるといるはずのない人の姿を見、驚いた。そこには逃がしたはずの愛しい妻の姿があった。
「なぜ…」
「あたり前ですわ。王がいて王妃がいないと分かったら、すぐに子供達にも追っ手が回りますもの」
優雅な微笑みを浮かべてレイドリア王妃は言った。
「しかし、子供達は?」
「オリバーに任せましたわ。彼ならきっと無事に子供達を逃がしてくれますわ。私は、あなたと 共に…」
王は立ち上がると、サラリと零れた妻の金髪を撫で少し困った表情を浮かべたが、優しく微笑むと、玉座の隣へとエスコートした。
そして、城は、燃えあがった。
十六年前、同盟国トランス王国に裏切られ、滅ぼされたエポス国。
こうしてこの物語は、始まった。
ありがとうございました。




