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麗紗ちゃんは最狂メンヘラ  作者: 吉野かぼす
第三章 ちゃんと私を見て下さいよ先輩!
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思惑

唐突に語られるキャラのコンセプト的なもの:識英天衣編

タイムリープ系の能力を雑に扱ってみたいと考え、あえて序盤で出しました。

麗紗の手に掛かればラスボスに出てきてもおかしくない能力がかませ犬になるのです。あら不思議。

そしてそういう能力を持ちそうな性格なのはやたら安定に拘る奴なんじゃないか、と思いこういう性格になりましたが、もうまんま吉〇吉影ですね。

出してから気付きました。まあ区別は付くと思います。お許しください。

 それなら黄玉を乱発すればこの状況を余裕で覆せる!

 かなり希望が見えてきた。


 私は空気にどんどん八重染琥珀を注いで黄玉を出し、二人に向けて連射した。

 黄玉は二人に当たると爆ぜて二人の動きを止めた。


「ぎゃあああああああ! 何なのよコレ! 卑怯じゃない!」

「グああああああ! こいツ……コワセナイ……!」


 効いてる……! 

 よし今の内に逃げよう。


「じゃあね!」


「なっ……待ちやがれぇぇぇぇぇっ!」

「コワせナイ……のカ……」


 私は八重染琥珀で空を飛んで、二人から全力で逃げた。

 あの女の能力にも、効果範囲があるはず。


 案の定、二人はただただ私を見上げる事しか出来なかった。

 そうして私は無事に家に帰った。

「へぇ~。そんな事があったのね」

「うん……って他人事な反応だなぁ……」


「先輩、そいつら今どこに居るか分かります?」

「いや分かる訳ないでしょ……」


 翌日。

 私は千歳の実験室に来ていた。


 何故か麗紗も居るけど。

 本当ならあんまり麗紗を巻き込みたくなかった。


 それなのに……。

 千歳に用があるから明日屋敷に行くねって電話したら……。


「また八重染琥珀の事ですか? ちょっと多過ぎませんか? なんか最近の先輩怪しいですね……。まさか能力を口実にして千歳と浮気してる訳じゃないですよね?そもそもなんで能力の制御で私が仲間外れにされないといけないんですか?意味が分かりません。ああ、やっぱり千歳と……あっすみませんでした。私と先輩は付き合っていませんでしたね。これは浮気でも何でもありませんね。すみませんでした。……でも嫌です。たとえ千歳であっても先輩が私以外の誰かのものになるなんて耐えられません! ……こんな世界いらない」


 と、話のスケールが世界を巻き込んできたので大慌てでべ、別に仲間外れにしてる訳じゃないし千歳と付き合ってるとかじゃないからって言ったら「じゃあ私も一緒に居ていいですよね?」って言われて詰んだ。


 はい、いつものパターンです。

 私は今泣いていいと思う。


 恋人扱いされてなくても結果は同じなのがまた……。

 誰か麗紗を止められる人が地球に一人くらい居ないかな……。


 例えば能力を無効化する特色者とかさ。

 あ、天衣ならもしかしたら勝てたかも。


 同じチート能力なら流石に勝ち目はあるだろう。

 まあ共闘しようとは思わないけどね。


「うーん……銃ねえ……一応心当たりはあるわ」

「え? 本当!?」


「ええ。私の叔父も科学者って話はしたわよね」

「うん……叔父さんがどうかしたの?」


「その人がこの前特色者の能力の仕組みが分かったってはしゃぎながら言ってきたのよ。それで今度教えてもらう事になってたの」


「いや絶対その叔父さんじゃん! 心当たりってレベルじゃないよ!」

「そうね。あとあの人の事だから調子に乗って特色者になる銃とか作っていたとしても何ら不思議じゃないわ」


「……叔父さんは何をやってんのさ……」


 調子に乗って軽々とそんなブツを作らないでほしい。

 あたおかに能力持たせるとか危険でしかない! 


 第二の麗紗が出てきたらどうしてくれるんだ! 

 そんなの私まで発狂するわ!


「でも色々とおかしいのよね……あの人調子には乗るけどそんな安全性の欠片のないものを世間には出さないと思うのよ。特色者になったら狂うっていう所もね。なんでそういう代償になったのかしら」


「さあ……」

「ねえ千歳、もしかして誰かに盗まれたんじゃないの?」


「あの人はそこまで迂闊じゃないわ。報告するにしても財閥の上層部だけの筈……ってまさか……!」


 麗紗の言葉に、千歳は何かを閃いたみたいだ。

 それにしても気付くの早いな。探偵物の主人公になったら秒で事件解決してそう。


 千歳は驚きに満ちた顔でわなわなと言う。


「桜月財閥が持ち出したんじゃ……!」

「ええっ!?」


「……まあやりかねませんね。狂人になるとはいえその銃は軍事兵器としては十分すぎる性能です。世界各国に売れば大儲けでしょうね」


「嘘でしょ……」


 両親が経営している財閥の事をそう淡々と分析する麗紗。

 さすが財閥、やる事がえげつないな……安全性は二の次か。


 ていうか銃が世界に広まったら第三次大戦とか始まってもおかしくないんじゃ……。

 いや、その前に国家が崩壊する。


 私達は今、とんでもない事に巻き込まれているのかもしれない。


「仕方がありませんね。琥珀先輩、私の毒親がご迷惑をお掛けしました。今すぐ財閥を全て更地に変えてきますのでお許し下さい。それでは行ってきますね」


「きゃーっ! 待ちなさいよ麗紗ちゃん! まだ桜月財閥と決まった訳じゃないのよ!」


 銀行からお金を下ろすような感覚で財閥を潰そうとする麗紗。

 ……世界が滅びる前に麗紗が全部一瞬でどうにかしてくれそうだ。


 よくよく考えたらいくら銃で特色者を量産できると言っても、多分麗紗に勝てるような奴はめったにでないだろう。


 あの二人も、はっきり言って麗紗には瞬殺されてしまうレベルだ。

 なんだ、ただのゴミじゃないか。


「まあ、いつでも潰せますから安心してくださいね琥珀先輩!」

「あなた自分の親の財閥をそんな簡単に潰すとか……」


「え? やだなぁ~先輩ったら~! 私に親なんて居ませんよ?」

「……ごめん」


 そんな事を笑顔で言わないで……。

 麗紗がこうなったのは親の所為だしそう思うのも無理もないけどさ……。


 潰した方がいい気もするけど日本の経済が危なくなりそうなのが厄介だな。

 今の所は様子見か……。


 私がそう考えていると、千歳がまた首を傾げながらこう言った。


「あと一番謎なのが何で琥珀ちゃんを襲ってきたのかって事よ。その理由が分からないわね……」


「確かに……私もそれが一番知りたい」


 何でピンポイントで私を狙ってきたんだろう。

 銃の実験? だったらもっと秘密裏にやるはず。


 本当に原因が思い当たらない。

 そうして頭を抱えて私と千歳がうんうん唸っていると、麗紗がズバリとこう言い放った。


「ふふっ、そんなの決まってるじゃないですか! あいつらが琥珀先輩の美貌に嫉妬したんですよ!」

「なるほど! さすが麗紗ちゃん! それに間違いないわ!」


「いやいやそんな訳無いでしょ! アホかあんたら!」


 どうしてこう一番無い選択肢を踏み抜くんだよ!

 麗紗のアホ! しかもそこで賛成しちゃ駄目でしょ千歳!


 きっと何かちゃんとした理由があるんだろう。

 そんな思春期の女子みたいな理由で狙われてたまるか! 


 と、アホ二人に突っ込んでいると、千歳の携帯からバイブ音が鳴った。


「あら? こんな時に誰かしら?」


 千歳は不思議そうに言いつつも携帯の画面を見る。

 するとその次の瞬間、驚いて目を見開き、こう呟いた。


「叔父……さん……?」










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