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麗紗ちゃんは最狂メンヘラ  作者: 吉野かぼす
第三章 ちゃんと私を見て下さいよ先輩!
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染色

唐突に語られるキャラのコンセプト的なもの:羽田真乃編

大人に拘るあまり子供と化している人です。

こんなに口が悪くなるとは思いませんでした。

耕一郎も罪作りですね(笑)




 な……何なのこいつ等……。

 訳が分からない……! こんな突然狂うなんて……。


 あまりの出来事に唖然としていると、二人はピタリと笑うのを止めて、叫んだ。


「あああ……壊したい……ボロボロに壊したい壊したい壊したいィ!!!」

「なっ……何よあの女……私より髪の毛綺麗じゃない……許せない許せない許せないぃっ!」


 男の方は猛獣のように、女の方はヒステリーを起こしたように。

 さっきまでの様子と全然違う……! 


 これ絶対襲い掛かってくるやつじゃん……!

 私は体中に八重染琥珀を行き渡らせ、臨戦態勢に入る。


 あの銃が何なのかは分からないけど、特色者の私の前で使ったって事は絶対何かあるはずだ。


 私がそう警戒していると、男が右腕を構えてこちらに突っ込んできた。


「食らえ! “サムソンハンド”ッ! ぶっ壊れろォ! ヒャハハハハハハハハ!!!」


 特色者レベルの速度で。

 嘘……さっきまで普通の人間だったはずなのに……! 


 私は困惑しつつも推進で男のパンチを躱す。


「あァ!?」


 男の拳は空を切り、コンクリートの硬い地面に突き刺さった。

 もう間違いない……こいつ特色者になったんだ……! 


 という事は……あの人も……。


「あいつ……私より可愛くない癖に……あーほんとムカつくっ! 死ね死ね死ね! “確殺ハリセン”っ!」


 女がキレながら手から白いハリセンを出し、私に向けて振り下ろす。

 それを私は八重染琥珀で回避した。


 確実に。完全に。

 でも空振ったはずのハリセンは私の頭に重い衝撃を与えた。


「あぐっ!」


 頭に火花が走り、ふらふらと身体のバランス感覚を失う私。

 何で……! 完全に躱し切ったのに……!


「コワス! コワス! コワス!」

「があっ!?」


 更に男がその隙を付いて私に拳を入れる。

 身動きが取れない私はなすすべもなく吹き飛ばされてしまった。


 まずい……二対一は辛すぎる……! 

 しかもこいつらまだ特色者になりたての筈なのに強い……! 


 両方ともレベル7以上はありそうだ。

 私はこの前の決闘で一応凍牙に勝てたから……実質能力レベル8以上はあるだろう。


 甘めに見ればレベル9くらいあるかもしれないけど、凍牙もそこまで全力では無かったっぽいし……。


 だから二対一となると厳しいだろう。

 ここは最初から全力で行く! 


「モロイ! モロイぞ! コンクリートがまるでトウフだぁ~! アヒャハハハハハハハ!!!」


「うっさい! 近所迷惑よ!」 

「あァ!?」


 私は推しの力が籠った回し蹴りを男の頭にお見舞いした。

 その蹴りを男は右手一本で払いのける。


「うわっ!? 嘘でしょ!?」

「いィ~! 手がビリビリするぅ~! でもコワス!」


 男の力に驚く私をよそに奴は無差別に床を壊し始めた。

 それを見た女が男をハリセンで叩いた。


「あガッ! イタイ!」

「暴れてんじゃないわよ! この猿が! 脳みそあんの!?」


「ノワッ! ヤめロ! カルしウム足りてネーのかヨ!」

「黙ってなさい! アンタが暴れるのがいけないんでしょ!?」

「うわあひどい……」


 女が仲間なはずの男を一切容赦なくハリセンで叩きまくる。

 本当に人が変わったみたいだ。


 あの銃には人格を変える副作用もあるらしい。

 なんて恐ろしい道具なんだろう……。


 でも仲間割れしてるのはラッキーだ。

 とりあえず逃げて今度この事を千歳に聞いてみよう。


「食らえ!」

「うっ!」

「アっ!?」


 私は八重染琥珀で手から光を放ち、加速して全力で逃げようとした。

 しかし何故か体に殴られたような衝撃が走り、阻まれてしまった。


「逃げられると思ったら大間違いよ……!」

「な、何で……!」


 女がハリセンを構えながら私に言う。

 遠距離攻撃の能力か……これはまた厄介な能力だな……。


「あァ~! まだまだコワセル……イヒヒ……」

「壊すのはあいつだけにしなさいよ」


「ヤだね。全部ブッ壊ス!」

「私の言う事を聞きなさいよ! 絶対に私が正しいんだから!」


「ハイハイ。ジゃあアイツさいシょに壊スわ」


 私の目くらましから回復した男が、私にじわじわと近付いてくる。

 やばい……こいつらめっちゃ強い……!


 推しの力で勝てないんなら……アレを使うしかない。

 制御出来ないけど……。


「お願い成功して! 黄玉っ!」


 私は手の平から光の玉を出現させ、女に向けて飛ばした。

 光の玉は明後日の方向に行く事なく飛んでいき、女に着弾して爆発した。


「きゃあっ!?」

「ナンだぁ? 今のは?」


「よしっ……! 成功し――」

「オモシロそうだな。もっと出シてくれよォ!」


「うわっ!?」


 こいつ全然動じてないだと……!?

 ちょっとは怯んでくれると思ったのに! 


 くそっ……頼む……もう一回成功してくれ! 


「黄玉!」

「うオッ!?」


 光り輝く黄玉は見事男に当たりはじけ飛んだ。

 すごいすごい……やたら運がいいぞ……! 


 今まで不幸ここに極まれりって感じだったのに……! 

 やっと私にもツキが回ってきたのか……! 


 などとふざけた事を考えていると、早くも女が体勢を立て直し、ハリセンを頭上に掲げている。


 復帰早っ! 黄玉食らわせたのに!


「よくもやってくれたわね……せっかく私がセットした髪が崩れたじゃない! 脳みそ潰れて死ね!」


 またハリセンが来る! 

 もう流石に黄玉が当たるって奇跡は起こらないかな……。


 いや、やる事はやろう。

 やらなきゃ確率はゼロだ! この台詞何かの作品であった気がするけど。


「食らえ黄玉!」

「ぎゃあっ!?」


「えっ……あれ?」


 奇跡的に私が放った黄玉は真っ直ぐ女に当たった。

 女は黄玉の威力に苛まれ、ハリセンを地面に落とした。


 ……奇跡的? 普通ここまで当たる?

 これはいくら何でも運が良すぎる。


 ……もしかして、黄玉を上手く使えるようになってる? 

 私は思わず自分の手をまじまじと見つめた。










唐突に語られるキャラのコンセプト的なもの:吉良榎葉編

耕一郎と同じくものぐさな人です。

そして元カノ。以上。




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