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異世界に行きませんか?と言う言葉に釣られた俺は異世界で最強になった!  作者: 宜候(ヨロシクソウロウ)
第1章 能力向上
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第7話 森のゴブリン

カズト達は準備を終えると、泉から森へ伸びる唯一の小道から森へと入っていった。


「わしは戦闘には参加しないから、君たちは思う存分戦ってくれ。とは言っても、ゴブリン達は日中は寝ているか巣穴の洞窟の中にいるから、この時間帯は森をうろちょろしているものはあまりいないがな。」


(え、意気込んできたのにそれはないんじゃありませんか・・・)


「先生・・・」


「ん、そんなにがっかりせずともよい。その辺にいなければ探せば良いだけだろう。」


(あ、もっともだ。大佐もいるしな。)


「わしならサイコメトリーやクレヤボヤンスで探すこともできるが、カズト君はまだ使えないから、探すのは大佐の地獄耳と超臭覚を使えばよい。」


「大佐、任せたよ。」


カズトがそう言うと、大佐はうれしそうに「はい、カズト様。」と答え、早速周辺の気配を探り始めた。


「先生。この道は何処に続いているのですか?」


カズトは以前から気になっていたことを忠国に聞いてみた。


「カズト君、この道は行き止まりだよ。何処にもつながっていない。」


カズトはてっきり、森の外へ続いていると思っていたので、少し驚いて忠国に尋ねた。


「では、何故道があるのですか?」


「そうだな。敢えて言うならば、狩りや果物などを採取するための道だな。この森はゴブリンがいるから、人はまずはいってこない。この森で暮らしている人間はは、わしたちのような転移者が50年に1度、それも3年間だけだ。森の出入りはテレポーテーションを使うから、道はいらないのだよ。」


(確かに言われてみれば道は必要ないか。俺も今は使えないが、いずれはテレポーテーションを使えるようになるだろうしな。)


その後もカズト達は森の奥へどんど進んでいった。


そして1時間ほどたったとき、大佐が大きな声で「見つけましたワン。カズト様!」と大きな声で叫び、ゴブリンを見つけた方向を指さした。


(大佐も興奮しているみたいだな。)


「よくやった大佐。じゃ、ゴブリン退治に行こう。」


カズトがそう言って道を外れようとしたときだった。


「カズト君待ちなさい。ここから入ると足場が悪い。もう少し先にゴブリン達の通り道があるから、そこから行こう。」


(先生はゴブリンの居場所にもう気がついているんだな。さすがだ。)


「じゃ、前進だ!皆行くぞ。」


こうしてゴブリンを見つけた4人はゴブリンへ向かって進んでいった。


しばらくすると、忠国の言うとおり、細い獣道があった。


(ここからだな。)


「ミヤ、大佐、ここに獣道がある。ここを通るぞ。」


「はいニャ。」「はいワン。」


(二人ともニャとワンか。ははは。)


「大佐、何匹いるか分かるか?」


「さっき感じたのは2匹でしたが、眠っているゴブリンが沢山いそうです。」


「分かった。多分巣穴の中で寝ているやつがいるんだろう。とりあえず巣穴の近くまで行ったら作戦を考えよう。ゴブリンに気がつかれないように、ここからはテレパシーを使うぞ。ミヤ、大佐、いいな。」


「はいニャ。」「はいワン。」


【大佐、ゴブリンまで50メートルくらいに近づいたら教えてくれ。】


【はいワン】


それから30分ほど獣道を進んだところで、大佐が合図を送ってきた。


【もうすぐです。】


そう言うとゴブリンがいるところを指さした。


(結構遠くのゴブリンを見つけていたんだな。地獄耳すごいじゃないか。)


カズトはほんの少しだけ使える透視で、大佐が指さす方を見た。


【外にいるのは2匹。後は、洞窟の中に何か沢山。】


【カズトさん。何か沢山とは・・・こんなところで笑わせないでいただきたい・・・・】


【仕方が無いだろうボック。まだちゃんと使えないんだよ・・・】


カズトが作戦を考えていると、忠国から一つ提案があった。


【表の2匹は何とでもなるが、巣穴のかなのゴブリンは、起こしてから戦って欲しい。通常なら、パイロキシスで焼き殺してしまえば良いんだが、今日は剣術の訓練も兼ねている。私が中のゴブリンどもをたたき起こすから、カズト君達は剣術で倒してくれ。】


(そうだな、剣術の訓練もしないといけないし、その方がよさそうだ。)


【分かりました。じゃ、あの2匹は俺がサイコキネシスで動きを止めるから、1匹はミヤ、もう1匹は大佐がやってくれ。2匹を倒したら俺もそちらに行くから、洞窟の入り口で待っててくれ。】


【はいニャ】【はいワン】


【じゃ、やるぞ。】


カズトがそう言うと、ミヤと大佐は身構えた。


【あ、ちょっと待って、ここからだと無理だった。あはははは】


【カズトさん・・・】


ボックの声が心に響いた。


【もう少し先でやるよ】


カズト達は更に20メートルほど進んでからサイコキネシスでゴブリンの動きを止めた。


【ミヤ、大佐行け。】


先にゴブリンにたどり着いたのはミヤだった。


ゴブリンの後に回り込むと、首にスーッと短剣を当ててあっさりゴブリンを殺した。


続いて大佐は、ゴブリンの正面から、真っ二つに切り倒した。


(これなら、サイコキネシスは必要なかったな・・・それにして、二人とも何の躊躇もなく殺したな・・・元は猫と犬だからかな・・・俺も見習わないとなぁ。)


【二人ともよくやった。直ぐ行くから待っていてくれ。】


巣穴の前は小さな広場になっていて、刀を振るうのに十分な広さがあった。


【カズト君、ゴブリン達を起こすが、準備はよいか】


【ミヤ、大佐いいか?】


【はいニャ】【はいワン】


【先生。いつでも大丈夫です】


カズトがそう伝えると、忠国は巣穴の前に立ち大きな声で言った。


「ゴブリンども退治に来たぞ、起きろ!」


大きな声が洞窟の中に響いた。


(何、声で起こすのか・・・何かすごい魔法を期待していた俺の気持ちはどうしてくれるのだろう。。。)


【カズト君、そろそろゴブリン達が出てくるよ。】


【は、はい。ミヤは左を、大佐は右、俺は正面で向かい撃つ。一匹も逃がすなよ。】


【はいニャ】【はいワン】


最初に5匹ほどのゴブリンが巣穴から出てきた。


2匹ずつはミヤと大佐があっさりと倒したが、1匹がカズトめがけて走ってきた。


カズトは刀を一閃するとすると、ゴブリンの身体は、上下に分かれ、どさっと言う音と共に地面に落ちた。


カズトは返り血を浴び、一瞬こわばったが、直ぐに気を取り直して次のゴブリンに備えた。


と、次の瞬間、1本の矢がカズトめがけて飛んできた。


【やばい、油断した。やられる。】


カズトがそう思った瞬間だった、矢はカズトの目の前で動きを止めぼとりと落ちた。


【カズト君油断しては駄目だ。】


先生の声が頭に響く。


【すいません。先生。】


そう答えた瞬間、次の矢が飛んできた。


今度はカズトは自分でサイコキネシスを使い矢を止めると、矢を反転して、飛んできた方に思いっきり投げ返した。


すると、矢は、真っ直ぐに矢を放ったゴブリンに飛んでいき、見事に倒した。


次の瞬間、カズトは覚え立てのバリアーを自分とミヤと大佐の前に貼ると、次の敵に備えた。


しかしその後は矢が飛んでくるだけで、ゴブリン達は警戒して出てこなかった。


カズトに向けて飛んできた矢をサイコキネシスで何度か投げ返してゴブリンを倒したが、そのうち矢も飛んでこなくなった。


【大佐、まだ中にゴブリンはいるか?】


【まだ10匹くらい気配を感じるワン。】


【突入するしかないか。】


カズトは突入を考えたが、洞窟の中は暗く、夜目のきかないカズトが入るのは少しはばかられた。


(クレヤボヤンスがもう少し上達していたら、暗くても問題ないんだがなぁ。ここはミヤと大佐に任せるか。)


【ミヤ、大佐、残りは頼むよ。念のため二人にはバリアー張っておいたから、思う存分やってきて。】


【はいニャ】【はいワン】


二人は巣穴に入ると、あっと言う間に残りのゴブリンを倒して戻ってきた。


全てを倒し終えると、少し離れたところで戦闘を見ていた忠国が近寄ってきた。


「3人とも見事だった。今日の訓練はここまでにしよう。」


「先生、もっとやりたいよー。」


ミヤが物足りなさそうに先生に言った。


「もうすぐ日が暮れるから、夜の戦闘は、カズト君のクレヤボヤンスがもう少し上達してからでないと危険なんだ。」


忠国にそう言われると、ミヤはしょんぼりと頷いた。


「ミヤ、これからもゴブリン退治はやるんだから、今日の所は我慢してね。」


「はいニャ。」


こうして初のゴブリン退治を終えたカズト達は、小屋へと戻っていった。

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