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異世界に行きませんか?と言う言葉に釣られた俺は異世界で最強になった!  作者: 宜候(ヨロシクソウロウ)
第1章 能力向上
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第3話 サイコキネシス

小屋を出ると、小さな広場が有り、その先には直径50メートルほどの泉があった。


泉の中心には水がわき出ているようで、水は透き通り、カズトが見たこともないような透明な水をたたえていて、泉からはあふれた水は、小川となって森の中へと流れていた。


泉の周辺の木や草は綺麗に刈られていたが、その先は森になっており、細い道が森の中へ続いていた。


カズトが景色に見とれていると、「カズト君手伝いに来てくれたのか?」と、忠国の大きな声が聞こえた。


カズトが忠国の方を見ると、直ぐ横で串刺しにされた魚がたき火で焼かれていた。


そして忠国はといえば、イノシシの解体をするために大きな包丁を研いでいるところだった。


「1週間も寝て休養は十分以上に取れましたので、私もお手伝いさせてください。


「そうか。じゃ、お手伝いしてもらうとするかな。ところでボックはどうした?ちゃんと連れてこないとひがむぞ。はははは。」


カズトはハッとして、慌てて小屋に戻り、ボックを連れてきた。


「カズトさん、私を残して行ってしまうなんて、ひどうございます。」


「ボックごめんよ。まだ慣れてないから、次からは気をつけるよ。」


忠国はその様子をニコニコしながら見ていたが、テーブルの上に置いてあったバナナを1本カズトに渡した。


「1週間も寝たきりだったから、腹も減っているだろう。いきなり沢山食べると身体に良くないから、このバナナでも食べておきなさい。」


「有り難うございます。」


カズトは忠国にお礼を言うとバナナを少しずつお腹に入れた。


そして、カズトがバナナを食べ終えると、忠国はイノシシを指さしながら、カズトに言った。


「ではカズト君、あのイノシシを机の上に移動してもらえるかな。」


カズトがイノシシを見ると、軽く100kgはありそうな大きなイノシシが横たわっていた。


(いや、普通に無理だろう。絶対に無理だ。)


「先生。これは私にはとても持ち上がりそうにありません。」


カズトは申し訳なさそうに忠国に言った。


「まだサイコキネシスは使えないんだったな。ちょっと使えるかどうか試してみるか。えーっとそうだな。サイコキネシスで最も重要なことは思い浮かべることだよ。たとえばその小石を持ち上げるとしよう。」


そう言うと忠国は立ち上がり、足下にあった小石の上に手の平を下に向けた。


すると、小石がすーっと浮かび上がり、それを忠国がつかんだ。


「今のはな、小石を吸いあげることを思い浮かべたんだよ。試しにその小石でやってみたまえ。」


カズトが同じようにやってみると、小石が10センチほど上がったところで、ぽとりと下に落ちた。


すると忠国の笑い声が聞こえてきた。


「うんうん。上出来だ。もう少ししっかりと思い浮かべられるようになれば、ちゃんと掴めるようになるよ。ではイノシシはわしが机の乗せよう。」


忠国はそう言うと、今度は手の平を上に向けてイノシシの方に向けると、手を少し持ち上げた。


すると、イノシシは宙に浮けき、忠国が手を横に動かすとテーブルの上まで移動した。


カズトは呆然とその様子を見ていた。


(サイコキネシスすげぇな。あんなに重いものも簡単に持ち上げられるのか。)


「どうだね、カズト君。ちゃんと訓練すればこんなことは簡単にできるようになる。」


カズトは我に返り、「先生頑張ります!」と思わず叫んだ。


「じゃ、カズト君。君は小石を持ち上げる練習でもしながらミヤと一緒に魚を見ていてくれるかい。わしは大佐と一緒にイノシシを料理するよ。それから、慣れてくれば吸い上がると思い浮かべなくても、石が動く姿を思い浮かべるだけでできるようになるよ。まぁ、何事も鍛錬だな。」


それから1時間ほどカズトは黙々と練習をした。


途中で忠国達は小屋に戻り料理を始めたが、カズトは練習を続けた。


そして、料理が出来上がる頃には、石を持ち上げたり、ゆっくり降ろしたりできるようになった。


「カズトさん。良い感じにできるようになってきましたね。後は遠くの石を持ち上げたり、重いものも動かせるように練習ですね。最終的には自由自在に操れるように頑張ってください。」


「そうだな。石を動かしているだけだけど、何か楽しいな。」


その時だった。


【カズト、歓迎会を始めるぞ。】


突然カズトの頭の中に忠国の声が響いた。


(あ、テレパシーか。)


カズトは自分もやってみようと思い、忠国を思い浮かべながら【はい】と頭の中で答えてみた。


【お、テレパシーか。まだ少し弱いが、聞き取れたぞ。さぁ、小屋に入っておいで。】


(テレパシーも練習しないといけないな。)


カズトは持っていた小石を下に降ろすと、ボックを抱えて小屋へと戻った。


小屋に入ると、大きなテーブルに沢山の料理が用意されていた。


カズトは1週間ぶりの食事をむさぼるように食べた。


獅子肉のステーキはとても柔らかく、口の中でとろけてスーッと胃の中に流れ込んでいくいくようだった。イワナの塩焼きは頬が落ちるかと思うほど美味しかったし、どんな果実か分からないが、果実を搾ったジュースは甘酸っぱく、どれだけでも飲めそうだった。他にもこの森で取れたであろう果実や野菜があたくさんあって、生まれて初めて見るもの多かったが、どれもとても美味しかった。


そして、カズトが満腹になったところで、忠国が明日からの予定を話した。


「カズト君。明日から早速訓練を始める。当面は午前中は剣術で、午後からサイコキネシスの練習をやる。超能力を一通り使えるようになったら、平行して魔法も覚えてもらう。3年間でわしの全てをたたき込んでやるから、しっかりついてきてくれ。」


「はい、頑張ります。」


カズトは元気よく返事をした。


(魔法かぁ。それも楽しみだな。)


「ところで先生。魔法にはどんなものがあるのですか?」


「そうだな。わしも全てを使ったわけではないが、攻撃系なら雷を落としたりできるぞ。後は防壁、今はバリアーというのかな、それを張ったり、錬金魔法で色々作ったりもできる。まぁ、楽しみにしておくと良いな。」


「はい、先生。とても楽しみです。」


(何かわくわくしてきたな。ミヤと大佐も一緒だし、これから楽しい人生が送れそうだ。俺を選んでくれたボックにも感謝しないといけないな。)


こうして、日本で引きこもり生活をしていたカズトは、異世界での生活を始めることになった。



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