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異世界に行きませんか?と言う言葉に釣られた俺は異世界で最強になった!  作者: 宜候(ヨロシクソウロウ)
第1章 能力向上
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第2話 俺の師匠は日本人

「なぁ、ボック、今更だけど、言葉や文字ってどうなっているんだ?」


「それについては寝ている間に覚えていただいているので、普通に使えると思います。ぁ、異世界に転移していただいたので、ここはお約束と言うことでございます。」


ボック達と話しているその時、下からドアが開く音が聞こえてきた。


(どうやらこの家の主が帰ってきたようだな。一体どんな人なんだろう?)


「カズトさん、主様が戻られたようです。ご紹介いたしますので下に参りましょう。」


そう促されて、カズトとミヤ、大佐の3人が部屋を出ようとしたとき、ボックが呼び止めた。


「カズトさん、できれば私を持って行って頂きたいのですが・・・・ご覧の通り本でございますので。」


「何だ、一人で動けないのか?さっき自分で起き上がっていたように見えたけど。」


「いえ、そう言うわけではございません。手足を出すことはできるのですが、私にも本としての自負がありますので、手足を出した姿を人様にお見せするのはあまり好みません。」


ボックの妙なこだわりがおかしかったが、カズトは「分かったよ。」と言うと、ボックを小脇に抱えて、下の階へと降りていった。


「やぁカズト君。目覚めたようだね。」


カズトに声をかけたのは、初老の老人だった。


髪は既に真っ白だったが、体型はがっちりとしていて、顔付きから察するに多分日本人だとカズトは思った。


「カズトさん、こちらがこの家の主で、カズトさんの指南役の松本忠国殿です。」


(やっぱり日本人か・・・・)


「初めまして。只野一人です。」


「日本人と話すのは何年ぶりだろう。いやー懐かしい。この世界に来たときの先生が日本人だったが、先生が亡くなって以来だから、もう数十年はたっているかな。」


「カズト君、これから私が超能力、魔法、剣術を君に伝授する。だが、今日はとりあえず歓迎の宴と行こうか。今、イノシシと魚を捕ってきたから、料理ができるまでちょっと待っていてくれ。」


(ずっと引きこもっていたから、面と向かって人と話すのは久しぶりだったが、気さくそうな老人で良かった。)


「あ、宜しくお願いします。」


カズトは慌てて声を出した。


「ミヤ、大佐、手伝ってくれ。


「はいニャ」「はいワン」


3人がイノシシをさばきに、外へと出て行くと、ボックがカズトの先生となる松本忠国について教えてくれた。


彼は本来の年齢は75歳になる。しかし、25歳でこちらに来たときにカズトと同じように15歳に若返っているため肉体の年齢は65歳と言うことだった。彼の父親は戦争で亡くなり、その後は母親に育てられたが、その母親も彼が15歳の時に若くして病気で亡くなってしまい、天涯孤独の身の上になったと言うことだった。そして、25歳の時にこの異世界にやってきて、65歳を迎えた今ここに戻ってきたと言うことだった。


「カズトさん。これは私からのお願いですが、65歳を過ぎたら、一人教育をしていただきたいのです。今回忠国殿があなたの教育係をするのも、この約束に従ってのことです。弟子を残すという事で、過去にこちらに来た皆様には楽しんでやっていただきました。」


「なぁ、ボック。その話しからすると、50年に1度日本からここに誰かが転移すると言うことなのか?」


「少し違います。もう一人日本から来た人がおりまして、その方は現在40歳になります。その方も25年前にここへ転移された方ですが、そちらでも50年周期でカズトさんのように新しくここへ転移された方を教育していただいていますので、25年に1度日本から転移してくる方がおります。その方の師匠は現在90歳でご健在ですから、現在この世界にいる日本からの転移者はカズトさんを含めて4人となります。」


(俺たちの50年周期の他にも25年ずれて50年周期で日本からの転移者が来ていると言うことか。)


「じゃ、その転移者とも会えるかも知れないんだな。」


「転移者であることは口外していない方が多いので、会えるかどうかは運次第でございますが、過去に指南役以外と出会ったことは何度かありました。転移者同士が戦闘になると、悲劇しか生まないので、考え方の根本が比較的近い人を選んでこちらに転移していただいております。」


(色々考慮して選ばれているんだな。少し安心した。先生は日本人と話すのは数十年ぶりと言っていたけど、他の転移者とは合ったことはあるんだろうか?いつか尋ねてみるかな。)


ここまでカズトはボックと話していて、ある疑問がわいてきた。


「なぁ、ボック。お前は誰なんだ。」


「転移者の案内人でございます。」


「いや、そう言うことではなくて、何者なんだ?」


「おほほほh。そう言うことでしたら、今はまだその時ではございませんので、いつかお話しいたします。」


「じゃ、質問を変えるけど、お前はこの先ずっとおれと過ごすのか?」


「はい。カズトさんが次の方の教育を終えるまでは一緒でございます。」


(そうか。じゃ、慌てて何でも聞いておく必要も無さそうだな。)


「カズトさん。まだまだ聞きたいことはあろうかと存じますが、これはあなたの新たな人生でございす。あまり知りすぎない方が楽しみも多いと存じます。大いにこの世界をお楽しみください。それが私の願いでございます。」


「分かったよボック。じゃ、俺も料理の手伝いでもしてくるわ。」


カズトはそう言うと、ドアを開け、勢いよく外に出て行った。


「あ、カズトさん、私を置いて行かないで・・・・」

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