借ぐらしの秘匿されし、妖精さん
とある大きな王国にある大きな森には[迷宮の森]と呼ばれる一度は異ったら一生戻れないと呼ばれる森がある。
その森の奥にある、中位の家には秘匿されし、妖精さんがいます。
その妖精の名前は、スフィアと言います―――――
私はある獲物に目を着ける。
スタンスをとり、セットしノッキングする。
セットアップをした後、ドローイング。
私の射つ弓矢には即効性致死性の毒が塗ってある。
私の小さな体では、仕留めることが出来ないからだ。
狙いを定めて私はフルドロー。からのリリース。
最後はフォロースルー。
「やったわ!腕を上げたんじゃないかしら!?」
私―――スフィアは手を上げて喜んだ。
私はこの[迷宮の森]の管理者でもあり、[迷宮の森]に佇む中位のアンティークの家に棲む、借りぐらしをしている秘匿されし、妖精である。
“秘匿されし、妖精”それはどこかに隠される妖精。
そのままの意味だが、私は人為的に隠され、それからもう、四年経つだろうか?
私は家の小さな方の入り口に入る。
小さな木のドアを開けて中に入る。
部屋の中は玩具の日用品が合ったり、木のテーブル。
アンティーク部分の家具もある。
私は狩った動物、子熊は別の入り口から家の解体場に持っていく。
魔物は沢山この森に沸いているが、食べれない。
まあ、代わりに魔石がドロップするから、それはそれで便利だけど。。。
因みに私は今、体力増量魔法をかけている。
その為、本来体が小さくて子熊すら運べない私にはとんでもなく便利な代物である。
そして調理して食べる。
その後は寝ると、また明日、狩をする。
これが私の日常である。
*****
その日、いつもの通り、狩に出ていると、男の人が倒れていた。
息は辛うじてある。
だけど、脈拍が弱い。
全体的な出血や欠損部分は無い。
発作だろうか?
その割には過呼吸は無い。発作の可能性は捨てよう。
じゃあ、体内?・・・・・・。
私は手に魔力を集める。
イメージは、柔らかな感覚。
一通り、体を確認した。
青紫の、色が広がっている。
<ヒール>
私の得意属性は、光・聖属性である。
秘匿される妖精が扱う魔法は伝説級で、人間では契約する事はまた、伝説級である。
私は契約などはしない、してない。私は秘匿され、この[迷宮の森]に囚われ、閉じ込められているのだから。
因みに、私は四年間ここにいるが、実際、年齢は五歳である。
人間の寿命にして、十五歳である。
だが、生まれて一年程の記憶が私にはない。
まあ、人間ならば普通なのだが、妖精は別なのだ。
生まれて一年程の記憶がないのは妖精にとっては稀で、非常に稀有である。
そして、青紫色のをしていた皮膚は普通の色に戻る。
やっぱり、内出血だったか・・・・
それにしても、心臓発作の類いじゃなくて良かった・・・
私の今の体じゃ、使い物にならないもの。
私が治癒できるのは、怪我した部分のみだからね。
「っ・・・ここはっ・・・」全回復したお陰か、すぐに目を覚ます。仰向けに寝かせたその人は少しずつ、眼を開ける。
だが、私はすべて眼を開ける前に逃げる。
小さな羽を生やして、家に帰る。
二度と戻れない[迷宮の森]。
この森の管理者は私だが、この[迷宮の森]の“噂”は変えられない。それは掟である。
噂と別の行動をすればいつか必ず、消滅してしまうのだ。
人間と関わったりすれば、私は悪用される。
この森にいた他の妖精達は“人間によって”ひどい扱いを受けた。
私はそれに対し、助けられなかった。
人間と関わる事は、一切、許さないし、あんな経験、二度とさせない。残り残った妖精達の為に―――――
*****
あれから三日。
私の犯した掟タブーから私はいつもの日常を送っていた。
一度限りでは消滅なんて事は無い、はず。
いつ思い出しても記憶に残ってる。
整った顔―――エメラルドグリーンの瞳―――金髪碧眼。
まるで、一国の王子の様だった。
そして私は複雑な気分を抱えて狩に出た。
今日の標的は、鳥。
大型でも小型でもない、普通の鳥。
「“妖精さん”」意味深な口調で、後ろから聞こえた。
「え!?」
「この前は、僕を助けてくれてありがとう」
整った顔にエメラルドグリーンの瞳。
そして、金髪碧眼の綺麗な顔。
この人は――――――!
「な、、、、何しに来たの!」
「この前、助けてくれたお礼」
私はキッと睨む。
「消えて!!」そっぽ向いて、辛辣な言葉を吐く。
「そんな事、言わなくても・・・」
露骨に悲しそうな顔をする。
同情を誘う気ね!そんな手には乗らない!
「私は、人間が大っっっ嫌いなのっっ!!!」
「だったら何で僕を助けてくれたなの?」
「貴方を知らないからよ!分かったらさっさと消えて!」
「ふ~ん・・・なら、僕の事、知って?」
「嫌。そうやって近付く輩は沢山いた!」
「僕はそんな事、しないんだけどな・・・」
何なの!?この人は!!
と言うか!!私が狙ってた獲物がどこかに行った!!
狩の邪魔をして!!この人は!!
そして、私の警戒心をほどく様に、私の小さな手を取る。
「改めまして、御挨拶。僕は、デューク・エステイル。よろしくね」ニッコリと微笑む姿、女の人ならば頬を赤らめるかもしれない程のイケメンオーラ。変な例えだけども。
「君は?」
「私は名乗らない。第一、私は貴方を信頼してない。さっさと消えて、出て」
あれ?そう言えば、ここまで来るのは普通の人には出来ない。
出来るとすれば、妖精の信頼、他、妖精の消滅。
そして、ここまで来ても良い程の、信頼を持つ者のみ。
もしかして、他の妖精達の消滅が原因で!?
こんな人間が信頼を持てる程を持っているはずがないもの!
「やっぱりあんたは他の妖精達に危・・・を・・?」
「スフィア様~~」
私の言葉を全て言い終える前に、花の妖精、ナタリーが来た。
「ナタリー!?離れなさい!こんな奴から!」
「奴?」キョトンとした何の悪意の無い顔。
「あれ!デュークだ!デューク!」ナタリーは躊躇無く彼の元に行く。
「ちょ、ちょっとナタリー!!」
「ああ、ナタリー。この前ブリだね」
「へ・・・?」なによこの人。ナタリーが見えるの?
もしかしてこの人・・・“魔眼”の持ち主!?
「ど、どういうことよ、ナタリー」
「スフィア様ぁ!デュークがね、この前ね、助けてくれたの!」
理解できなかった。
「それは、どういう・・・??」
「私の代わりに瀕死を負ってくれたの!」
「瀕死って・・・そんな他人事の様に・・・」
でも、これで分かった。
私は彼を誤解していたようだ。
いつものナタリーは人間不信なのに・・・
「・・・・・ごめんなさいね」
「え?」キョトンとしていた。
「酷い事、言って、ごめん、なさい」さっきの事もあって、片言だ。
タジタジと言う私に彼は、大きな手で頭を撫でる。
「別に良いよ。一緒に話してくれるなら」
「なっ!・・・・・・・・・・・・わ、分かった、よぅ・・・」
「念の為聞くけど、君は?」
「スフィア。これが私の名前よ」
「そっか、良い名前だね」ニッコリと微笑む姿。
・・・妖精が名前を言うのは、“信頼”と“敬意”である。
私はこの人を信頼しても、良いのかも、知れない。
「中とかは?」
「・・・入れば・・・」
私は案内する。あの家には少なくと、住んでいる人はいない。
なので、いつでも入り放題である。
だが、残念な事に掃除をしていない。
「凄いアンティークの数だね」
部屋にはいればどこもかしこもアンティークだらけである。
「そうね。前の人が置いていったのか、それとも・・・」
「スフィアが一番、好きなのはあるの?」遮るように、聞かれた。
「私が好きなのは、この指輪」
「アメジストが嵌め込まれているんだね」
アンティーク風のアメジストが嵌め込まれた指輪。
「だけど、大きくて私の小さい指には入らないから、指輪全般、あっても意味がないんだけどね」
「まあ、そだね」大きく笑われた。
「な、なによ!」
笑うことは無いでしょう‼️
何か恥ずかしいじゃない!
「全く!」
「ははは」笑顔で笑う彼に私は少し気恥ずかしく思える。
「っ!もうっ!出ていきなさいよ!」
「うわっとと・・・」なによ!わざとらしく言っちゃって!
でも、
「つ、強く押しすぎたわ。ごめんなさい・・・・・」
「これからも、よろしくね」真っ直ぐな目でみられる。
そう言われたら、
「・・・・・ええ」
断れないじゃない!
「全く、変な人・・・」そう、彼が帰ったあと、呟いた。




