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大空の出戻り  作者: 自宅防衛隊
零戦(れいせん)開発試作時代
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鈴鹿航空隊

ワシは出張で名古屋の三菱航空機を訪れておる。

下士官時代は航空隊以外は出張は皆無だったが、大尉クラスとなると試作機視察を命じられる事も多くなるのだ。


時計台の目立つ工場が三菱航空機だ。


門で申告すると早速堀越さんが飛んで来る。

試作工場に案内して貰い、治具じぐに据えられ試作中の12試を見学。

フレームのパンチ穴が消えてる!!


エンジンは金星エンジン。現代で最強と聞く。

1200psの出力で将来的にもパワーアップを見込めるそうだ。

その代わり機首が太くなり7,7粍は搭載不可能。

代わりに主翼に各2門の13粍機銃を計4門搭載。

銃弾は各200発だそうだ!!


なを陸軍で開発してたホ103を三菱側が海軍と共同で折衝し、13粍を搭載可能となったのは

後に聞いた話。

>感想を頂き設定しました。ありがとうございます。


ワシの望む零戦になりそうで満足。


「S井大尉、貴方のおかげで柔な機から未来ある頑健な戦闘機に変貌しました。

貴方が申告してくれなければそこそこの性能はあれど、未来の無い戦闘機になったでしょう。」


堀越さんも大興奮で唾を飛ばす。

彼も嬉しいのだろう。

無能な戦場を知らぬ士官にムチャな設計を命じられたのを解き放ったのだから。


フレームに穴の無い新鋭戦闘機は早速、三重県に新設された鈴鹿航空隊に船で運ばれ、

隣接する三菱航空廠に搬入し組み立て。


横空で見た12試と変わった印象を持つがワシはコレなら末期まで闘える!と確信。


早速ワシが試乗。


コックピットは変わらぬが、機銃が計器盤より消え、主翼に二門ずつの13粍が・・。

そして太くなった機首を見、満足する。


後ろを見ても無様な穴だらけのフレームは見当たらず充分な強度を持つと確信。

三菱側も危うく中島の栄を搭載させられる所を自社の金星になったのだ。


1200psの金星はスターターモーターを装備。

エナーシャーは要らぬのだ。


バッテリーは24Vなので無電も充分な電力を供給可能。

出張時にゴムで被膜する様に進言したのでエンジンからの雑音も入らず。

全てを確認し、ワシは昭和14年、12月の寒い空に舞い上がる。


広い鈴鹿基地は滞空機も無く安全な大空。


心地よい音と共に12試は舞う。

最初は水平時速計測・・。

高度2000mで計測開始。

地上でも計器を据え計測を命令。

スロットル全開。200ノットからガンガン速度が上がる。

主翼に皺も無し。


やがて水平時速300ノットを計測。

地上でも観測出来たと喜びの声が上がる。

次が急降下テスト。


高度5000mまで駆け上がり酸素マスク装備。


地上指揮所からも命令が下り急降下開始。


快音と共に12試は急降下!!


高度4000で350ノット!!

高度3000、400ノット!!


充分と判断し地上に通信。

機を点検しながら地上に着地すると同僚や堀越氏に囲まれる。


こうして新鋭機は皇紀2600年の末尾を取り零式艦上戦闘機11型として正式採用。

速度、時速560km、航続性能、ドロップタンクナシで2000km。

タンク装備で約3000km。


幅12m、ただし主翼を降りたためば4m程度まで軽減。

>グラマンの如く主翼折り畳み装備。

これも強度アップの恩恵です。


急降下で分解の危険もほぼナシ。

未来に於いてもパワーアップエンジン搭載可能。

前面に防弾ガラスを装備したので爆撃機の攻撃でも不安は減る。

横空や鈴鹿で連日テストを繰り返し試作機はどんどん実戦機として採用。


大陸では護衛が出来なくなった96に変わる新鋭機として零戦れいせんの到着を望む声が届く様になる。

金星エンジンは昭和15年前後に開発済です。

当時は1200psですが、後に1500psまでパワーが上がります。

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