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大空の出戻り  作者: 自宅防衛隊
初陣!!
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出陣!!

大村に在籍し数か月。

少尉から中尉に任官!!

やっと実戦に出して貰えるのだ。

零戦が出る前なのでまだ96式艦戦だが、贅沢は言えぬ。

万全の整備を行い、Y隊長の二番小隊として二番小隊長を拝命。

部下は武藤三曹、三番機は本田飛行兵!!

何と彼も居たのだ!!

前世と同じで天真爛漫。

早速部下にもらい受け我が小隊の三番機を務めて貰う。

腕はまだまだだが、な~に実戦を潜れば大丈夫。

今度は死なせるか!!

一生をワシと過ごすのだ!!


彼も我が小隊のメンバーに迎え大村で最後の総仕上げ。


編隊でのアクロバット飛行だ。


大村飛行場を三機編隊で飛び立ち、左右前後1mの至近距離で編隊を崩さずに演練するのだ。

コレが出来ないヒヨコは実戦には出せぬと司令にも厳命して貰う。

下手が前線に出てもすぐに死なせるだけだと・・。


上空2000mで編隊のままありとあらゆるアクロバットを演練。

司令からも見事ナリ!の誉め言葉を頂き、無事演練終了。


だが・・・。


自分等の次の演練編隊が少し技量が足りなかったらしく空中で接触。


ズガガァ~~~ンと言う破壊音が基地上空に轟く。


キラキラと破片が舞い、大村湾に次々と破片が舞い落ちる。


急げ!!と消防部隊が救助に向かうが絶望だろう。

落下傘は・・・。


舞ってない。


変わり果てた彼等二人の遺骸が発見されたのは夕刻ごろだった。

空に生きる戦士の宿命とは言え出陣前の殉職は無念であろう。


編隊の編成変えが命令され生き残った三番機は次の配備に変えられ訓練部に回される。


数日後。


柴田司令の訓示で我等は12空に出陣を命令。

戦闘機隊は蕪湖ぶこに進出し敵を制圧せよ!と拝命。


12空に出陣する我等40機編隊は怒涛の轟音を轟かせ戦地に向かい離陸。

日本海上空で戦闘隊形に開き機銃を装填。

胴下の増加タンクに切り替える。


編隊は上海に着陸し燃料を補充。

蕪湖ぶこの前線基地を目指し進出。


蕪湖ぶこに到着すると13空と交代するとの事。


13空の彼等は我々に戦地の情報を伝え引き継ぎを終えると翌日、上海経由で帰国。


柴田司令に飛行隊の定期帰国を進言してたのが効いてたのだ。

彼等も前線で数か月苦労したので、内地が恋しいだろう。

戦死も数名だが出てるので補充も必要だと言う事で内地で編成変えになるだろう。


下士官時代なら司令部も聞いて貰えないがさすが士官様。

進言も通るのが有難い。

今後も部下の悩みを聞き届けよう。


部下と言えば夜のかわいがり。

そう。。精神注入棒が未だにはびこっていたのだ。

武藤を伴い(本田ではすぐにケンカになるので。)巡検後に兵舎を訪れると。


丁度、整備分隊の兵長が二等兵に講釈を垂れてるトコだった。

バットを片手に・・。


「貴様ら!!オレの言う事を聞かず・・云々・・。」


まあご立派な事を言いますが、下士官になれないお茶引き兵の鬱憤晴らしですよ。


丁度二等兵にバットを入れようとした所だったので、ワシはナニをしてるか!!と兵長に怒鳴る。


まさか士官が兵舎に??と驚き、しかも三曹を伴ってるのだ。

即座にバットを下げ敬礼。


「貴様ら!!二等兵にご立派な事を言うが、同じセリフを我等に言えるか?

たかが兵長如きが!!」


兵長は真っ青!!


「良いか!オレは海軍上層部にバッター等の扱きは絶滅させる様に進言しておる。

扱きは訓練では無い。リンチだ!

全海軍の士気を下げる悪因だ!二等兵の貴様らも階級が上がっても部下を虐めてはならぬぞ!

そこの兵長、貴様は着いて来い!!」


武藤にベルトを握られた兵長は真っ青な顔で我等の後を歩き、甲板士官室に連行。

司令を呼び今後は虐めはならぬ!と伝達。

兵長は懇々と説教され降格処分で解放。


その後、巡検後に響いてた二等兵の悲鳴は絶滅したと聞く。


甲板士官は巡検後、兵舎の臨検を義務付けられる。




軍隊の悪しき伝統。バッターを消しました。

尻を砕かれ再起不能になった若者も数多かった悪習です。

次回から出撃です。

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