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大空の出戻り  作者: 自宅防衛隊
出戻ったエース
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ドッグファイト

大分で延長教育を終えたワシは懐かしの大村航空隊に入隊。

ようやく実戦部隊配備だ!

もっとも延長を終えたばかりの新品少尉はすぐには戦場には出さないのが通例。

死なせたら困るしね。


武藤は大村に配属されてたので、早速自分の列機に貰う。

彼は階級こそ低いが既に実戦を潜った猛者。

隊内ではアレなので大村基地近くの酒場で懇談する事にした。


「S井少尉、訓練終了おめでとうございます。」


「武藤教員のご指導のおかげですよ。」


「いえ、S井少尉は素晴らしいカンの持ち主です。私如きのご指導で恐縮です。」


等々と懇談。

ワシは前世と同じで酒は飲めぬがタバコは好きだ。

愛用の誉を彼等に渡し、後ろを守ってくれと頼む。

まもなく中尉に任官するが、決して奢らぬし兵や下士官とは出来る限り壁を作りたく無い。

隊内ではともかく同年の武藤とは友人で居たいと頼むと彼も快諾。

二郎ちゃんと呼んでくれたのだ。


訓練では故郷近くと言う事で事前に部隊許可を得て故郷に郷土訪問飛行を・・。


母親にも事前に連絡し故郷の佐賀上空に凱旋。

10分程度、母の眼前でアクロバット飛行をすると故郷の小学生は郷土の誉、

S井少尉万歳!と白地の垂れ幕に描いてくれてた。

ただの兵なら認められぬが、さすが海軍少尉の階級は故郷でも誉扱い。

ピカピカ光る新品の96艦戦を存分に披露し故郷から帰るのだ。


「S井少尉、良かったですね。見事でした。」


「金ちゃん、護衛ありがとう。」


彼は二番機としてワシを守ってくれた。

それからは大村湾上空で演練の連続。

武藤を仮の敵と見てドッグファイトだ!


高度4000m、場所は大村湾上空A空域。

三番機は待機して貰い監視を頼む。

無電は完璧!>前世を反省し無電の整備はエンジンと同等にして貰い、無電不良は飛行停止。


「こちらS井、武藤二等兵曹、ヨーイテーで頼みます。」


「こちら武藤二等兵曹、了解です。・・・ヨーイ・・テー!!」


大村の上空で対峙した我等は対等で闘いドッグファイト。

金ちゃんはさすがに実戦を潜ったベテラン。

グイグイ食い込んで来る。

高度を上げ彼に対峙すると突っ込みを懸け余力で上昇!

驚く彼の顔が見える。

だが彼も猛者。

食われてたまるか!とフットバーを蹴り、操縦索も切れよ!と桿を引っ張り自分に贖う。


さすが強い!!


翼からは飛行機雲を引き、翼は撓む。


前世の得意技、左捻り込みに彼を誘い込むと彼も苦戦。


互角の戦闘を続けるが上空の監視の部下から演練時間の来た事を告げられ勝負ナシで終わる。


お互いに数分でフラフラとなるのが情けない。

まだまだ前世の腕には程遠いと思いながら編隊で大村に着陸。


「S井少尉、見事な訓練でしたがアレは??」


「武藤二等兵曹、左捻りと称そうと思うのですが・・。」


「確か先輩が得意とする戦法で大陸では脅威の技でした。まさかS井少尉が・・。」


「基地上空で訓練してるのを見て思い付いたのです。」


「あゝ、そういえば良く滑走路で寝転んでますね??」


「空を見るのも訓練ですよ。昼間の星を見つけ敵に遅れを取らない様にとね?」


「素晴らしい考えです。戦闘では一瞬の遅れで命を喪います。

敵を一瞬でも早く発見出来れば戦闘は勝ちです。」


嬉しい事を言ってくれる金ちゃん!!


三番機の彼もワシと彼の会話に聞き入っていた。


大空には我々の軌跡が飛行機雲となって残ってた・・。

次回から実戦です。

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