ポートモレスビー襲撃!!
何時も空襲ばかり受け、進撃戦闘がご無沙汰の我がラエ基地は朝から大忙しだった。
ポートモレスビーを奇襲するのだ。
我が戦闘隊は歴戦のパイロットのみ厳選し、ヒヨコや列機は作戦から除外。
結果、ワシ、宮崎、武藤、西澤の4機で襲撃が決定した。
現在のラエ基地ではこの四人が最強パイロットなのだ。
笹井も行きたがったが、諦めさせた。
奇襲には山の斜面ギリギリを這う技量が必須。
列機を構うヒマも余裕も無いのだ。
代わりに今回は横空が開発したタ弾と言うさく裂軽量爆弾を各2発搭載。
敵地に到着次第急上昇しさく裂させると言う。
コレも岩本の得意技だったな?
そう思いながらワシは出撃準備を見守る。
両翼に搭載されたタ弾は電気信号で落下さく裂するそうだ。
胴体には落下増加タンク。
ウム、ガッシリと装備されてる。
多少の機動で外れる事は無いだろう。
ワシ等は出撃準備を終わると、ラエ基地司令、柴田武夫司令に出撃申告。
「S井少佐以下4名。敵根拠地襲撃のため出撃します。
なお、機密保持のため攻撃終了まで基地とは無電封止します!」
「ウム、困難な任務ではあるが貴様等歴戦の乗員ならきっと成し遂げると信じてる。
立派な戦果を挙げて帰って来い!!」
柴田司令の温かい言葉を受け我等は愛機に近寄り出撃。
居残りのパイロットが日の丸の旗を振り我等を見送ってくれる。
無電封止なので指先信号のみで合図し、密集編隊でスタンレー山脈スレスレを飛行。
岩肌にベッタリと張り付く白い布みたいなのがルーナの滝。
そして芝みたいな山肌を降りれば・・。
ポートモレスビー基地だ。
奇襲は成功したらしく敵は慌てて機に駆け寄ろうとしてた。
許さぬ!!
我等は地面スレスレを飛行し20粍を発射。
燃料満載した敵機群は20粍を食らいタンクが火を噴きエンジンが吹き飛ぶ。
滑走してる機は・・・皆無。
頃はヨシと急上昇しタ弾を燃料庫と思しき施設に投下。
高度20m弱でさく裂し、大爆発!!
敵は大混乱だが、既に滑走路は火の海となり反撃不可能。
対空砲も煙で見えないのか発射しても明後日の方向へと乱射してる。
ケンカは一瞬で終わるのが良い。
ワシ等は集まれのバンクで集合し、四機とも揃ってポートモレスビーを去る。
愛用のライカで連写は当然しておいたのだ。
後に新聞紙上にワシの写真が掲載され、ラエ航空隊の名は世界に広がるのだ!!
スタンレー山脈を超え無事帰還した我等四機は低空で基地上空を舐め、解散着陸。
エンジン停止した途端、居残りの部下に担がれ神輿みたいに指揮所に連れ込まれる。
ワシは司令に敵基地壊滅!と宣誓し当分は空襲も無いだろうと報告。
事実、敵は回復に時間がかかったらしく一週間は全く空襲が無かったのだ。
アクロバットはしません。敵には憎まれております。




