ラバウル航空隊
懐かしいラバウル。
双子岩を目標に降りると火山灰でポコポコする野戦飛行場がある。
そこがラバウル航空隊だ。
今生では小牧丸での進出はなく、小牧丸桟橋も無い。
ワシ等零戦部隊は長躯、硫黄島、サイパン、トラック島を経由しラバウルへと赴任したのだ。
迎撃戦で鍛えた笹井中尉も武藤小隊の二番機として赴任。
まだまだヒヨコだし仕方ないね。
ラバウルは後方基地で前線はブカやブインとなってる。
敵はガダルカナルを占領し、我がブカやブインを毎日攻めて来てる。
海軍が壊滅したせいで、米軍は陸軍航空隊が中心となり、我が占領地を攻めているが、艦隊が無いので攻略は不可能。
航空部隊で牽制し、我々を引き付けてるのが現状だ。
なを連合国側は欧州戦線のみで太平洋戦線は日米と豪州の三か国。
>豪州は米国の脅しで止む無く参戦。
本国の英吉利は無関係と国際通達アリ。
可哀想にね・・。
おかげでイギリスから縁を切られ、アメリカの属国扱いとなったのだ。
代わりに欧州に出兵してた義勇兵は全て豪州に帰国したと聞く。
武器は全てアメリカ陸軍が支援。
スピットやハリケーンはイギリスに返納したそうだ。
ガダルカナル、並びにポートモレスビーを基地化と同時に豪州も日本に宣戦布告。
理由は卑劣なるジャップからアメリカを救うため・・だそうです。
卑劣なのはアメなのにね。
まあ正義は我にアリで無いとアカン国ですので勝手に言えば?ですよ。
さて、敵対するからには豪州も潰さないと・・。
我々はラバウルを占領後、ラエ、ブナ、ブカ、ブインを基地化。
電探を接地し、無電の暗号の簡略化で敵情を通報する体制を整えたのだ。
「S井隊長、遂に来ましたね。」
「ウム、笹井、貴様は前線は初めてだな?」
「ハイ。でも何か懐かしい様な不思議な雰囲気がある地です。」
・・・・笹井と別れた桟橋こそ無いが、彼がワシと別れたく無いと言って腰のベルトのバックルをワシにくれたのは今も忘れられない。
虎は千里を行って千里を帰る。
あのバックルは今は笹井の腰にある・・。
「まずは戦場の雰囲気に慣れろ。貴様は兵学校出の中尉ではあるが、この戦隊では一番のヘボだ。
武藤の二番機として彼の機動に着いて行ける技量を身に付けろ。」
「了解です。武藤小隊長はS井少佐と同じ年齢なのですよね?」
「あゝ、彼はワシより戦歴のあるベテランだ。ワシも飛行学生時に彼に教えを請うたのだよ。」
「先輩もですか??」
「ウム。だから特務士官だからと蔑むなよ?」
「そんな事は思いません。武藤少尉の腕は凄まじいですし。」
やはり笹井は素直だな・・。
この素直さにワシは惚れ、上官としてだけでなく、友人としても信頼し、技術を伝達したのだ。
ワシが負傷しなければ、彼を死なさずに済んだのに・・。
まあ彼も迎撃戦で鍛え、更に武藤に預け充分に指導出来てるだろう。
しかも本大戦はアメリカと巻き込まれた豪州のみ。
楽では無いが、正義は我にアリなのは助かる。
欧州の参戦も叶わず日本だけを敵視するアメリカとの講和を目標にワシ等は闘うのみよ。
ラバウル到着後、数日は持ち込んだ愛機、零戦22型の整備やテストに勤しんだ。
南方に来ると気圧の変化か?
エンジンの調子が変わるのを記憶してたので、ワシ等はキャブレターの整備をしながら、
調子を整えた。
「S井隊長、仰る通りキャブの目盛りを1,2から0,8に落とすと全域で調子が整いますね?」
「ウム、今後の整備の基準としよう。内地と南方では気候、気圧も違うしのう。」
「了解です。」
整備分隊士に細かい情報を伝え、今後内地から送られて来る戦闘機の整備基準情報を作成。
内地からは護衛空母を使いドシドシ送られて来る戦闘機が使い物になる様にしてもらうのだ。
整備完了したワシ等は前線のラエとブナに進出。
ポートモレスビー基地を攻略開始!!
敵は我等の進出を察知したのか毎夜空襲に来るが、電探で早々と察知出来るので、熟練のパイロットを交代で配備し夜間迎撃を任せると敵は逃げて帰る。
ウム、戦闘機の最大の威力は戦艦と同じく威嚇だな!!
逃げ帰った話をする武藤はニコニコと敵の詳細を皆に語ってくれてた。
ガダルカナルとポートモレスビーが当面の目標です。
攻略は艦隊が出て来てからですね。>アメさんの。(;^ω^)




