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大空の出戻り  作者: 自宅防衛隊
出戻ったエース
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端折った!!

ワシは兵学校に入り、満足する成績で卒業。

端折るが、二等兵として鍛えられたワシにすれば兵学校の訓練は甘い。

だがココを抜ければ操縦学生への道が広がるのだ。

ロングラインサインに見送られ、兵学校を卒業すると遠洋航海。

時は昭和12年。

遠洋航海が終わると早速操縦学生を受験。

見事合格だ!!

新品少尉として飛行学生になり懐かしの霞ヶ浦の門を潜る。


我々新品少尉はヘボでも士官なので、門兵も敬礼で入れてくれるが、答礼をしない不遜な士官も多い。

だがワシは彼等にキチンと挙手の礼で答礼する。

彼等のワシを見る目が変わるのを見逃さなかった。


「S井、何故あんなにキチンと敬礼するのだ?たかが兵だろ?」


「ヤマダ少尉、貴様の未来の部下となるかも知れない兵に不遜な態度で接すると

戦地で後ろから撃たれるぞ!」


ヤマダ少尉は驚いてまさかそんな事が??とビックリしたが我々が立つのは最前線。

敵は敵だけでは無いのだ。

味方を敵にするのは今後の我々次第。

不遜な態度は味方を敵にする愚かな行為。

例え兵でも前線では一人の精兵だぞ?

舐めるのは止めるべき!と同期の少尉連中に力説。

彼等も態度を改めると約束し、飛行学生教程に入る。


昭和13年、11月、第32期飛行学生に任じられ赤トンボで飛行学生になる。

教員がなんと・・。

武藤金ちゃん!!


同年だが彼は下士官として既に戦地の嵐を潜った歴戦の飛行兵!

戦地から帰り、我々飛行学生の教員をしてくれるのだ。


「武藤です。S井少尉、宜しくお願いします。」


「S井飛行学生です。武藤教員、宜しくご指導お願いします。」


「そ・・・そんなご丁寧な返答をする必要は・・。」


「いえ、我々はまだぺいぺいの新品少尉です。まだ遠洋航海を終えたばかりで、

戦場を潜ってすらいません。武藤教員は既に戦地を??」


「・・ハイ。中国戦線で実戦を経験しました。」


「敵は強かったですか??」


「我が96式艦戦の戦闘力を持ってすれば鎧袖の一言ですが、敵は中々巧みです。

決して舐めてはいけません。戦場では常に見張りです。」


ウム、さすが我が親友金ちゃん!!

前世のワシの持論通りだ。

まだレーダーも無い時代、見張りこそが戦闘を決する!!


談話し、やがて我々も訓練開始だ!


約60年ぶりの赤トンボ。

ワシは前席に座り伝声管で後ろの教員、武藤に伝達。


「全てチェック完了です。武藤教員。ご指導お願いします。」


「S井少尉、離着陸訓練開始します。最初は私が操縦しますので、操縦桿とペダルから手足を放して下さい。

上空で飛行訓練を始めます。」


・・まあそうだよね。


了解ですと答え、筑波山目指して赤トンボは舞う。

嗚呼、風が爽快だ!

戦後、翼をもぎ取られ地面を這って生きて来たが、ワシはやっぱり空が好きだ!

既に中国戦線では九六式艦戦が戦場を飛び回り、戦地では敵も味方も血みどろの戦いが続いている。

零戦も開発が始まっている頃だ。

昭和14年には試作機が舞うだろう。

それまでには前世の腕を取り戻さないと・・。


上空で武藤に操縦を任され、操縦桿を握りフットバー(足踏み板)に足を添える。


ウム、昔と同じにしっかりと手応えがある。

機は武藤の指示通りに動く。

彼も初心者の自分が指示通りに操縦するので驚いていた。


「S井少尉、凄いですね。経験がおありでしょうか?」


「いえ、生まれは佐賀の田舎で叔父が東京に居たのでA山中学に通い、兵学校を出たばかりです。」


武藤は驚き、実は自分も中学は入ったのですが、友人と一緒に遊んだのが厳格な親に怒られ、

退学させられ18で海軍に入ったのです・・と。


嗚呼、彼もワシと同じだな。

同じ年齢だが既に自分は少尉、彼は下士官。

階級の差は生殺与奪の権利すら与えられるのが軍の腐ったトコだ。

ワシは部隊に入ったら必ず自分の部下に貰うので守って貰えないか?と聞くと快諾。


数か月の間に初期訓練を無事終わり延長教育を大分空で経験。

懐かしい九六式艦戦に乗り飛行教程を昭和13年に修了。


ようやく空に帰って来たのだ!!


かなり端折りますが、長くならない様にしてます。

戦闘シーンを多くしたいので。

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