零戦初陣!
上海での乱闘騒ぎも終わり、我等鈴空戦闘隊は横空と共同で大陸奥地へと攻撃する、
陸攻部隊の掩護を開始。
>事前にドロップタンク装備で最大行動半径も計測済。
部隊は重慶攻撃に随伴し敵を殲滅セヨ!の命令を受ける。
前世と違い充分な部隊が来たので、陸攻部隊も大喜び。
ほぼ陸攻と同じ行動半径を持つ我が新鋭機、零戦に大いなる期待を持って迎えられた。
我等は銃弾を一発ずつ磨き、連缶に繋ぎ丁寧に機銃に装填。
7,7粍と比較すると大型になった銃弾に整備員も大喜びだ。
しかも各銃200発!!
20粍だとドラム弾倉に僅か60発~50発。
後にベルト給弾で125発が限界だったのだ。
今の零戦は主翼の強度も前世の52型より強力で、Me109程度の強度はある。
突っ込まれても逃げられる心配は無いだろう。
まあ96でも負けなかったイ16程度なら負ける心配は不意打ちだけ。
格闘性能では96に劣るが、広大な行動半径。重武装、抜群の速度と文句を言うパイロットは消えた。
空母部隊でも零戦の訓練が始まり、大きく折りたためる主翼が搭載機数を増やし喜ばれている。
三菱は生産数を増加するために鈴鹿基地周辺の土地を購入し、広大な工業地帯を設立。
白子周辺の過疎地帯が工業団地となり、四日市を超える工場群が出現。
三菱は中島と並ぶ大航空産業となったのだ。
名古屋の工場は開発工場となり、陸軍工場は撤退。
海軍専門となるのだ。
飛行場が隣接してるので、昔の如く牛車でゴトゴトと運ぶ事も無く、
完成したら即!飛行場でテスト可能。
不具合もすぐに対応可能なのだ。
余談だが、工場を鈴鹿に移転した事で昭和19年12月に発生する東海大震災から工場は難を逃れる事になるのは後の話。
出撃準備を終えた我々は前夜は静かに眠り、コンディションを整えさせる。
第一陣は我等鈴空戦闘隊。第二陣は横空だ!!
零戦の開発に協力したからと下川千兵少佐が初陣を譲ってくれたのだ。
初陣前の宴会はワシの命令で禁じた。
勝ってから飲め!と言ってな!
夜は巡検が終わると全員就寝。
起きて騒ぐパイロットは皆無。
整備員だけは徹夜で滑走路の掩体壕で夜を徹し整備してくれてる。
有り難い事だ。。
早朝、戦地の日が登り我等は総員起床。
敵を殲滅する作戦は既に練ってる。
まずは爆撃隊に先行して貰い、敵をおびき寄せるエサになって貰う。
戦場上空2000mの空域で攻撃隊を護衛し、敵を発見次第急降下で撃破。
敵も我が新鋭機の存在を察知してると思わねば。。
やがて指揮所に全員が集まり柴田武夫司令の訓示が始まる。
「皆、ご苦労だった。今から後方基地から一式陸攻部隊が出撃する。
我々戦闘隊は彼等が出撃後、高度差2000m上空を遷移し護衛。
敵を発見したら急降下で捕らえよ!
新鋭機、零戦はS井大尉がダメ出しして鍛えた世界最高の機だ!
こんな機はまだ世界には無い。
負けたら恥だと思え。
では時刻整合を行う。
0800(まるはちまるまる)まであと10秒、五秒前・・。時間!!
0815に起動し0820に出撃せよ!!」
柴田司令の訓示が終わるとパイロットは補給員からコーヒー牛乳、弁当(かっぱ巻き)を受け取り、
各愛機へと向かう。
整備は万全だが、必ず自分の目と手でタイヤ、その他を点検を義務付けてる。
機銃の蓋(紙製)を外し、左翼下に置いてある板の上でドロを落としてから愛機に飛び乗る。
無電スイッチ入れると各小隊長から準備ヨシ!の指令が入る。
時計を注視し時間を待つ。
0815に秒針が指した時。。
「全機起動せよ!!回せ!!!」
ワシの声が無電に轟くと一斉にキュンキュンと言うスターターモーターの音がし、
一発で全機が発動。
静かだった飛行場が轟音に包まれ、0820.。
離陸線に着いたワシ等第一小隊を先頭に離陸開始。
遂に我が戦闘隊がベールを脱ぐ日が来たのだ!!
続々と怒涛の轟音と共に舞い上がる零戦40機は高度2000mで編隊を組むと、
蒼空を進撃してる一式陸攻部隊を追いかけるのだ!!
嗚呼、大空は良い!!
キャノピーを開け心地よい蒼空の空気を胸一杯吸い込むワシはやはり空の男だ!!
やっと出撃です。
本作はチートはほぼありません。戦闘機だけの世界です。




